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吉右衛門、歌舞伎座で約半年ぶりの舞台 配信にも挑戦

約半年ぶりに歌舞伎座の舞台に立つ中村吉右衛門

「活動自粛の間につくづく、役者は舞台の上で、お客様の前で自分の身につけたものを花開かせて、初めて生きるのだと分かりました」。歌舞伎俳優で人間国宝の中村吉右衛門は語る。新型コロナウイルスの影響による活動自粛から約半年ぶりに9月の歌舞伎座(東京・中央)の舞台に立ち「引窓」で、母と生き別れ、人をあやめるという悲しい運命を背負った相撲取りの濡髪(ぬれがみ)を演じる予定だ。例年であれば、9月の歌舞伎座は「秀山祭」と銘打って先代の吉右衛門を顕彰する演目を並べるが、今回は「祭」にはせず、全4部構成のうち第3部だけが秀山ゆかりの公演となる。

「戦争中は、劇場がなくても慰問などで公演はあった。対して今年は、劇場はあるのに公演ができなくなった。歌舞伎の先輩たちも、誰も経験したことのない状況でしょう」。舞台に立てない間は、趣味の絵を描き、さまざまな脚本を読んで過ごした。9月の舞台を「改めての初舞台のような気持ち」で迎えるという。

「引窓」では濡髪だけけでなく、代官として相対する十次兵衛も繰り返しつとめてきた。9月はこの役を、義理の息子にあたる尾上菊之助に引き継ぐ。「私の十次兵衛を伝えて、あちらのお父様(菊五郎)からも話を聞いてやってもらえれば」。公演は9月1~26日。

配信にも挑戦する。「一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)」の熊谷次郎と小次郎の物語を、自らの独白劇のような構成にして「須磨浦(すまのうら)」と題して観世能楽堂(同・中央)で無観客で上演、8月29日午前11時~9月1日午後11時にイープラスの「Streaming+」で披露する。「歴史の中で、災難は何度も繰り返され、そこから立ち直った先に今がある。亡くなられた方も数多くいる。そのことを忘れたくないという気持ちを込めました」。現代のコロナ禍に通じる作品を意識している。

(瀬崎久見子)

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