最高齢遺族「これで最後」 兄が犠牲、93歳長屋さん

2020/8/15 17:56
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「最後の思い出にしっかり慰霊したい」。全国戦没者追悼式に参列した遺族で最高齢の長屋昭次さん(93)=北海道網走市=は、中国戦線に出征した兄、保さん(当時26)を失った。「もうここに来ることはないと思う」と語った。

全国戦没者追悼式に向かう最高齢参列者の長屋昭次さん(15日午前、東京・日本武道館)=共同

8歳年上で長男だった保さんは体が弱かったが、1942年(昭和17年)に召集されるまで一家の暮らしを支えた。終戦前の45年(昭和20年)7月に中国・天津の病院に入院。肺結核で同年末に亡くなった。

一家の大黒柱を失い、生活は困窮。復員した昭次さんは公務員となり、家計を支えた。残された家族と「亡くなった保さんの分まで長生きしよう」と誓い合ったという。

昭次さん自身、陸軍少年飛行兵として朝鮮半島に渡った。戦闘経験はないものの「訓練中に亡くなった先輩方がいる。軍隊生活も非常に厳しかった。子どもではいられなかった」と振り返る。復員後、犠牲になった人たちのことを思うと「生きていくことがつらい」と思ったこともあったという。

追悼式が始まる1時間以上前には会場の日本武道館入り。濃紺のスーツに白いマスク姿で、しっかりとした足取りだった。〔共同〕

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