中国、冷凍食品の輸入規制強化 「包装にコロナ付着」
ブラジルなど「証拠なし」と反発

2020/8/15 18:00
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中国政府はブラジル産の鶏肉など冷凍食品の輸入を警戒している(13日、リオデジャネイロ)=ロイター

中国政府はブラジル産の鶏肉など冷凍食品の輸入を警戒している(13日、リオデジャネイロ)=ロイター

【大連=渡辺伸、サンパウロ=外山尚之】中国政府が新型コロナウイルス検出を理由に、エビや鶏肉など冷凍食品に対する輸入規制を強化している。中国は「食品の包装に付着することで新型コロナウイルスが流入している」と主張する。ブラジルは「証拠なし」と強く反発しており、新たな通商摩擦となりかねない。

中国税関総署は14日、エクアドル産の冷凍エビの輸入に対して規制策を発表した。現地企業などに対して、生産や包装、輸送について厳格に衛生管理を行っていることを示すエクアドル当局の証明書を要求した。

中国税関総署は7月10日、ブラジルや米国、ドイツ、英国などの食肉関連企業23社から暫定的に輸入を停止したと発表ずみ。エクアドルの一部企業から冷凍エビの輸入も停止した。ブラジル産などの大豆にもウイルスに汚染されていない証明書を要求していた。

中国当局によると7月以降、輸入冷凍食品の包装から検出したコロナウイルスは少なくとも合計で約10件。直近でも8月12日、深圳市でブラジル産の鶏肉から確認されたという。中国内は感染者を抑えており、海外からの流入に警戒を強める。

こうした措置に中国向け輸出の割合が大きいブラジルなどは強く反発している。ブラジル農業・畜産・供給省は13日、世界保健機関(WHO)の見解を紹介する形で「食品や食品包装から新型コロナが感染する証拠はない」とする声明を発表した。「公衆衛生を保証するための厳格な規格に従っている」として、中国の通関当局と連絡を取っていると発表した。

食肉業者の業界団体であるブラジル動物性タンパク質協会(ABPA)によると、2019年のブラジル産鶏肉の輸出量は421万トンで、世界首位。うち中国向けは59万トンと、全体の14%を占める最大の輸出先だ。

中国に続いてフィリピン政府も14日にブラジル産の鶏肉の輸入を停止すると発表した。ABPAは同日、声明で「輸入停止は科学的な知見に基づいた決定ではない」とフィリピンにも抗議している。

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