ドローンのACSL、強気の1600台販売目標 22年度に

2020/8/14 19:19
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産業用ドローン(小型無人機)開発の自律制御システム研究所(ACSL)は14日、中期経営方針を発表した。2023年3月期には年間1600機のドローンを販売し、売上高を20年3月期の4倍強の55億円とする目標を掲げた。セキュリティーの安全性を重視する動きや、新型コロナウイルスによる遠隔技術の需要を追い風とみて、機体の量産や新技術への投資を増やす。

ACSLのドローンはGPSの使えない場所でも飛べるのが強み

空撮と物流、煙突や下水管などの点検に特化した機体を開発し、一部は今期中にも製品化する。同社のドローン販売数は足元で年間約100機にとどまり、汎用的な機体が多い。分野ごとに機能を高めた機体を増やす。特に空撮向けは政府調達などで23年3月期に年間1000台の需要を見込む。

国内のドローン市場はDJIなどの中国製が普及するが安全保障上の懸念が指摘され、政府などはサイバーセキュリティーを重視する。ACSLはセキュリティーや人工知能(AI)に投資するため、研究開発費を増やす。21年3月期には前期比5割増の4億1000万円を充て、23年3月期には8億円に引き上げる。

同時に、スタートアップの関連技術を取り込むため、5億~10億円程度の投資枠で今期中にもコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を設立する。

新たな顧客を広げる取り組みも始める。頻度が少ないインフラの法定点検などにドローンを使いやすいよう、売り切りに加えて定額で機体を使えるサブスクリプション型の提供を始める。今期中にシンガポールに現地法人を設け、東南アジアでもドローンを売り込む。

政府は22年度にも、都市部でもドローンが目の届かない範囲を飛べるよう規制緩和する方針だ。ACSLは「市場が数十倍に拡大する」(鷲谷聡之社長)とみて31年3月期に売上高1000億円を目指すと強気の目標を掲げた。

ただ足元の国内市場は規制緩和に伴って広がる途上で、同社の売上高は21年3月期の予想で14億~17億円にとどまる。ドローンを企業が飛ばしやすいルールが早期に整うかは不透明な面もある。18年12月に国内のドローン専業で初めて上場し成長期待も高かったが、足元の株価は19年5月につけた最高値から6割近く下げている。

日本郵便やANAホールディングスが実験でACSLの機体を使うなど成長の足がかりはある。商業ベースでドローンを活用する顧客を増やせるかが課題だ。

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