最新の市場情報

「※」は20分以上遅延
日経平均株価(円) 23,472.05 -167.41
日経平均先物(円)
大取,20/12月 ※
23,440 -210

[PR]

業績ニュース

中部8行、貸出金が1兆6600億円増 新型コロナで企業支援

2020/8/14 19:00
保存
共有
印刷
その他

中部地銀の貸出金が急増している。6月末の残高は8行全てが過去最高を更新し、合算すると1年前比で1兆6600億円増えた。新型コロナウイルスの流行に伴い取引先企業の資金繰り支援が相次いだ。感染は再び拡大しており、貸出金は今後も高水準で推移するとみられる。

中部地銀の多くは新型コロナウイルス関連の相談窓口を設けている(名古屋銀行)

貸出金の増加が目立ったのが、愛知県を地盤とする名古屋銀行愛知銀行中京銀行の3行だ。自動車メーカーと取引関係の深い三河地方の中小企業や、名古屋市内の飲食・サービス業の資金需要に応じた。

愛知銀の残高は2兆2605億円と、1年間で25%増えた。名古屋銀は16%増の2兆9945億円だった。中京銀も1割増やした。

国の財源をもとにした実質無利子・無担保融資の取り扱いが5月から民間金融機関で始まり、貸出金の伸びに拍車をかけた。地銀の積極的な働きかけもあり、手元資金に余裕を持たせたい企業の申し込みが相次いだ。7月以降も「(申し込みの)ペースは下がっていない」(愛知銀)という。

貸出金が急増する一方、預金も大幅に増えている。預金残高は8行全てが過去最高だった。実質無利子融資は目先の資金繰りに支障はないが、万一に備えた「保険」として利用した企業が少なくない。こうした資金が預金に振り替わった。

政府が打ち出した1人10万円の特別定額給付金が消費に回らず、個人預金に滞留するケースも目立つ。

貸出金と預金がそろって増えると銀行経営にはプラスに作用する。

貸出金は増加分の大半を実質無利子融資が占める。愛知県の制度を使って10年間借り入れた場合、金利は1.4%。企業の金利負担はゼロだが、金融機関に政府から金利相当分が入る。

日銀名古屋支店によると、中部地銀の貸出約定平均金利(5月の新規融資分)は0.886%だった。低金利が続くなか、実質無利子融資との利幅は大きい。信用保証協会の保証が付くため、貸し倒れリスクも小さい。

金融庁は金融機関が保証付き融資に過度に依存していないか実態調査に乗り出した。中部地銀ではコロナ関連融資に占める自前融資(プロパー融資)は2~3割程度で、「全国的に見ても低くはない」(地銀関係者)との見方がある。

積み上がった預金の動向も焦点だ。背景には運用難がある。金融機関は預金を有価証券などで運用している。日銀のマイナス金利政策で債券の利回りは下がり、国債に頼ってきた地銀の運用は曲がり角を迎えている。

国債を外債や社債、不動産投資信託(REIT)で代替してきたが、こうしたリスク資産の配分には限界がある。預金が滞留し、自前貸し出しなどに回らないようだとコロナ後の地域経済の復調に影を落としかねない。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップマーケットトップ

読まれたコラム