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気象庁HPに有料広告枠 災害時も表示に「配慮必要」の声

気象庁ホームページへの広告掲載のイメージ=同庁提供

国の厳しい財政事情を背景に、気象庁は9月からホームページ(HP)に有料の広告枠を設け、民間向けに提供を始める。防災情報を24時間更新する同庁HPは年に約79億回のアクセスがあり、一定の収益を見込む。人命に関わる情報を扱うため運用には課題もある。

同庁が広告枠を新設するのは、気象や地震などの防災情報を含む全ページ。各画面の端に広告枠を1~3カ所設け、全体で約5千カ所になる。

同庁は既に運用委託先を決め、9月中旬から広告を掲載する。閲覧者の好みなどに応じて表示する広告を変える「運用型広告」を採用し、収益はHPの運営経費の一部に充てるという。

背景には国の厳しい懐事情がある。災害が近年相次ぎ、同庁は観測体制の強化などに力を入れるが、同庁予算は2020年度までの10年間に24億円余り減少した。

関田康雄長官は「必要な予算はしっかり確保できている」とした上で、HPへの広告掲載は「国民の負担を少しでも減らすため」と説明する。19年度から検討を進めていたという。

HPへの広告掲載は地方自治体が先行する。公益社団法人「日本広報協会」によると、インターネットが普及した2000年代から自治体HPに広告が掲載され始めた。

中央省庁でも外務省が一時期、HPに広告を掲載した。同省によると、導入の経緯は不明だが、確認できるだけで10~13年度にWi-Fiのレンタル会社など計8件の広告が掲載された。

気象庁は委託先との契約額を明らかにしていないが、広告収入をどれだけ得られるか注目される。横浜市のHPはピーク時の09年度に約4千万円の広告収入があったが、18年度は約1500万円にとどまる。

福岡市のHPには19年度に約7300万回のアクセスがあり、同年度の広告収入は約700万円だった。気象庁HPはその約100倍に当たる年間約79億回のアクセス数がある。自治体の財源確保などを手掛ける「ホープ」(福岡市)の担当者は「広告媒体としての価値はそれなりにあるのではないか」と分析する。

広告の内容も注意が必要となる。気象庁HPは災害に直面した人が目にする機会が多い。麗沢大の川上和久教授(戦略コミュニケーション論)は「災害でお金を稼いでいるような印象を持たれないよう、徹底した配慮が必要だ」と指摘する。

同庁は不適切な広告が表示されないよう基準を設けたという。川上教授は「たとえば、自治体のサイトなら問題にならないお墓の広告も、災害時にはふさわしくない。特に厳しい基準で運用しなければ、HP全体の信頼性を損ないかねない」と注意を促している。

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