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「謝礼3000円」実は借金アンケート 学生が高額請求被害

(更新)

アンケートに答えたら勝手に借金させられていた――。大学生の間でこんな被害が相次いでいる。アンケートの個人情報を基に無断で消費者金融のアプリに登録され、借り入れ契約が結ばれる。学生には後日、高額の返済請求が届き、金は第三者の手にわたっていた。

学生に注意喚起する大学のホームページ

福岡県内の大学構内で1月、男子学生が男から声をかけられた。「アンケートに答えるだけで3千円差し上げます」。学生は友人らと学生食堂で質問に答え、アルバイト代として現金2千円を受け取った。男は「さらに千円を振り込む」と言って銀行口座番号や暗証番号、携帯電話番号を聞き出し、運転免許証を見せるよう求めた。

その後、不審に思った学生が男の連絡先に電話すると、つながったのは消費者金融。学生の名義で30万円の借り入れ契約が結ばれていたことが発覚し、30万円は第三者の手に渡っていた。

福岡県や佐賀県で1月ごろから同様の不正契約被害が相次ぎ確認されている。悪用されたのは消費者金融が提供するスマホアプリを使った借り入れサービスだ。アプリに口座番号や本人確認ができる運転免許証の画像などを入力すると、店舗訪問や対面でのやりとりをせずに融資が受けられる。

最短1時間ほどで現金が口座に振り込まれ、コンビニのATMなどから借入金を引き出せるのが特徴で、大手消費者金融が2017年ごろから始めた。各社はカードレスや短時間での審査・融資完了などをうたう。ある大手消費者金融の担当者は「対面での審査はないが、不正防止のため電話などで契約者と直接確認する機会を設けている」と話す。

国民生活センターによると、両県では1月以降、20件以上の被害相談があった。1月下旬には佐賀県警が大学内でのアンケートで入手した個人情報を使い、佐賀市の金融機関のATMから30万円を引き出したとして、福岡市の派遣社員の男(33)を窃盗容疑で逮捕した。

事件を受け、この大手消費者金融では「社内で犯行の手口を共有し、本人確認時の通話時間を長くするなどして、不審な言動があれば契約を見送るようにした」(担当者)という。

福岡県の弁護士らは2月、「アンケートモニター詐欺被害弁護団」を結成し被害の実態を検証している。弁護団や国民生活センターなどによると、男の逮捕以降、被害は確認されていない。佐賀県警は単独犯とみているが、関係者は模倣犯の出現を警戒している。

弁護団の鳥井玲子団長は「アンケートという手口でなくても口座番号や免許証の画像があれば、第三者が簡単に金を借りられる」と指摘し、模倣犯の発生を懸念する。また「審査時に実店舗への来店を促したり、発行するカードや書類を自宅に郵送して本人確認したりするなど抑止策を講じるべきだ」とし、利便性を優先した融資の仕組みの見直しを訴える。

国民生活センターは1月、ホームページで被害事例を紹介し、対策を呼びかけた。担当者は「第三者に対し、安易に免許証画像や口座番号を提供するのは危険な行為だ」と話している。

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