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ベラルーシ混乱拡大、反体制派が新組織 欧米に支持訴え

【モスクワ=石川陽平】現職大統領の6選に反発する抗議デモが続く旧ソ連のベラルーシで、情勢の不安定化が長期化する恐れが出てきた。政権による不正選挙を訴える反体制派が12日、国外で「救国戦線」を設立したと表明した。「独裁政権」打倒に向け支持者の結集と欧米の支援を呼びかける。

12日、ベラルーシの首都ミンスクで大統領選の結果に抗議して拘束された人々に連帯の意思を示すイベントに参加した女性たち=タス・共同

「ベラルーシ共和国救国戦線」の設立を表明したのは、9日の大統領選で有力候補とされながら出馬を拒否された元駐米大使のツェプカロ氏だ。滞在中のウクライナからSNS(交流サイト)に投稿した動画で「公正で透明な選挙を要求しなければならない」と大統領選のやり直しを掲げた。

大統領選は即日開票の結果、現職のルカシェンコ氏が約80%を得票し勝利したと発表された。だが、反体制派や国内各地の市民は9日夜から連日、政権による大規模な不正があったとして抗議行動を展開し、治安部隊との衝突が起きている。

国民の間では1994年から続く独裁的な体制へ不満が強い。政権側は治安部隊や軍を掌握し、抗議運動を抑え込もうとしている。ツェプカロ氏は「救国戦線」と新たに設けた支援基金を武器に長期の抗議運動に備える考えだ。ただ、どこまで影響力を持てるかは不透明さも残る。

反体制派が頼みとするのは、ルカシェンコ氏を「欧州最後の独裁者」と批判する声が強い欧米諸国だ。ツェプカロ氏は12日、欧州連合(EU)域内でベラルーシ情勢に関する緊急首脳会議を開くよう提案したと述べた。EUは14日の臨時外相理事会で、ルカシェンコ政権への制裁を含む対応策を協議する見通しだ。

EU加盟国のリトアニアには11日、大統領選でルカシェンコ氏を追い上げた有力候補のチハノフスカヤ氏が脱出した。リトアニア政府は選挙結果を認めないと表明したチハノフスカヤ氏を支援する構えだが、対ロ関係で強硬な東欧諸国とフランスなど融和的な国との温度差も表れそうだ。

ロシア紙コメルサントは12日付で、反体制派が南米ベネズエラの反政権運動に似たシナリオを持つと指摘した。ツェプカロ氏は国際社会にチハノフスカヤ氏を正当な大統領と認めるよう求めた。米欧諸国がベネズエラの野党指導者グアイド氏を暫定大統領に承認した例に倣っているという。

一方、米国のポンペオ国務長官は12日、訪問先のチェコでベラルーシの民主派への支援を続けると強調した。欧米がベラルーシ情勢への関与を強めれば、ベラルーシの同盟国であるロシアの強い反発を招くことになる。

ベラルーシの隣国ウクライナでは2014年、親欧米派が親ロ派政権を打倒する「政変」が起きた。旧ソ連地域での勢力回復を狙うロシアは、ベラルーシでも同様の事態になることを警戒する。

ルカシェンコ氏は大統領選の直前、ロシアの民間軍事会社の戦闘員が騒乱を画策したと批判し、対ロ関係に亀裂が走った。それでもロシアは欧米との地政学的な勢力争いを優先し、同盟相手のルカシェンコ政権の支援強化に動く可能性がある。

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