ベネチアで半年ぶりの国際映画祭開催

文化往来
2020/8/20 2:00
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黒沢清監督「スパイの妻」
(C)2020 NHK, NEP, Incline, C&I

黒沢清監督「スパイの妻」
(C)2020 NHK, NEP, Incline, C&I

世界三大映画祭の一つ、ベネチア国際映画祭が9月2~12日に予定通り開催される。2~3月のベルリン国際映画祭の閉幕後、コロナ禍のために5月のカンヌ、8月のロカルノが相次ぎ中止されており、欧州の主要な国際映画祭の開催は約半年ぶり。全体の規模は若干縮小するものの、コンペティション、オリゾンティなど主要部門は例年通りに開く。映画祭ディレクターのアルベルト・バルベラは「開催は映画界と映像産業の信頼の合図になる」としている。

金獅子賞を競うコンペにはロシアのアンドレイ・コンチャロフスキー、イスラエルのアモス・ギタイといった巨匠から、メキシコのミシェル・フランコ、ハンガリーのコーネル・ムンドルッツォ、イタリアのジャンフランコ・ロージまで国際映画祭の常連の新作が並ぶ。とりわけ目立つのは女性監督の作品。フランスのニコール・ガルシア、ボスニア・ヘルツェゴビナのヤスミラ・ジュバニッチら女性監督の作品が18本中の8本を占めた。女性監督作が少なかった昨年の批判に応えた形だ。ロックダウンの長期化でハリウッドの超大作こそ見当たらないが「現代映画の活気を確認するプログラム」(バルベラ)となりそうだ。

日本からは黒沢清監督「スパイの妻」が選ばれた。黒沢作品のベネチア選出は4度目だが、コンペは初めて。太平洋戦争前夜の神戸を舞台にした異色のスパイ映画で、東京芸大の教え子である濱口竜介による脚本も注目される。

コンペ部門の審査員長はオーストラリア出身の女優ケイト・ブランシェット。コロナ禍の影響で他の審査員6人はすべて欧州人となった。VR(仮想現実)部門の審査員には日本のゲームデザイナー小島秀夫が選ばれた。栄誉金獅子賞は香港の監督アン・ホイと英国の女優ティルダ・スウィントンに与えられる。

(古賀重樹)

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