戦後生まれ8割 戦争の記憶、令和に語り継ぐ

戦後75年
2020/8/15 2:00 (2020/8/15 5:03更新)
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1965年の全国戦没者追悼式=共同

1965年の全国戦没者追悼式=共同

戦後75年。昭和から平成、令和と時代が移り、戦争体験者が急速に減っている。戦後生まれの人口が全体の8割を超え、戦争が「記憶」から「歴史」へと変わりつつあるなか、戦争の惨禍を次代に伝えていく取り組みが重要になっている。

総務省の人口推計によると、2019年10月1日現在、戦後生まれの人口は1億655万人で、全体の84.5%を占める。一方、戦前生まれは1962万人。現在と同じ形式で人口推計が始まった1947年の7384万人から70年余りで4分の1に減少した。

天皇、皇后として最後の参列となった2018年の全国戦没者追悼式での上皇ご夫妻

天皇、皇后として最後の参列となった2018年の全国戦没者追悼式での上皇ご夫妻

戦後生まれの人口が戦前生まれの人口を上回ったのは76年だった。この年、ロッキード事件で東京地検が田中角栄元首相を逮捕した。戦後、米軍政下に置かれた沖縄が本土復帰したのは4年前の72年。75年に皇太子夫妻時代の上皇ご夫妻が沖縄国際海洋博覧会に出席するため初めて沖縄を訪問し、戦没者慰霊碑「ひめゆりの塔」(糸満市)で過激派から火炎瓶を投げつけられる事件もあった。当時はまだ社会に戦争の影が色濃く残っていた。

その後、戦後生まれの人口はバブル景気まっただ中の87年に全体の6割、2014年に8割を超え、国民の大半が戦争を知らない世代となった。現在、戦争を体験した世代の平均年齢は81.8歳(19年10月時点)と高齢化している。

特に戦地の悲惨な状況を直接知る人は急速に少なくなった。19年度に恩給を受給した旧軍人は9500人で初めて1万人を割り込んだ。10年度の13万3千人から10年間で14分の1に減少した。

太平洋戦争などで亡くなった軍人や軍属の遺族らでつくる「日本遺族会」の会員も減少し、組織の解散が相次ぐ。

同会の支部に当たる47都道府県の総会員数は、記録がある中で最多だった1967年の約125万4200世帯から、2019年には半数以下の約57万世帯まで減少している。

戦争を経験した祖父母や親らから直接話を聞く機会が少なくなるなか、令和の時代に戦争の記憶を風化させず、語り継ぐ重要性が増している。

8月15日は昭和天皇が1945年に「玉音放送」で国民に終戦を伝えた日に当たる。63年以降、政府主催の全国戦没者追悼式がこの日に毎年実施されるようになり、全国から戦没者遺族が参列している。

2019年の全国戦没者追悼式で黙とうする参列者

2019年の全国戦没者追悼式で黙とうする参列者

参列遺族は63年の1495人から次第に増え、85年には7336人に上った。その後は遺族の高齢化などで減少し、99年以降は5千人台で推移している。参列者の構成は大きく変わった。平成元年の89年は戦没者の妻が47.9%を占め、兄弟姉妹(33.0%)、子(14.3%)の順に多かった。令和元年の2019年は子が51.0%と最も多く、孫(8.4%)、兄弟姉妹(6.3%)と続き、妻は5人(0.1%)だった。追悼の主体も世代交代が加速している。

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