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小説家・森見登美彦が劇作家・上田誠とコラボ

京都での男子学生の生活をパラレルワールド的な構成で描いた森見登美彦の小説「四畳半神話大系」と、タイムトラベルを題材とする劇団ヨーロッパ企画の舞台「サマータイムマシン・ブルース」(上田誠作・演出)を合体させたらどうなるか? その答えとなる森見著、上田原案の長編小説「四畳半タイムマシンブルース」(KADOKAWA)が刊行された。小説家と劇作家のコラボレーション作品といえる。

原案者の上田誠
著者の森見登美彦

炎熱地獄と化した真夏の京都。「私」が暮らす京都の古い学生アパートで、頼みの綱だったエアコンが動かなくなる。悪友の小津がリモコンにコーラをこぼしたのだ。ひそかに思いを寄せる1年後輩の明石さんと対応を協議していると、モッサリした男子学生、田村君がタイムマシンに乗って25年後からやってくる。「私」は昨日に戻ってリモコンを「救出」することを思いつく。

「『四畳半神話大系』など僕の作品がアニメ化されたとき、脚本を書いてくれたのが上田さん。その逆バージョン、すなわち上田さんの作品を僕が小説化することをやってみたくなった」と森見。「サマータイムマシン・ブルース」を選んだのは「大学生たちが主人公で、中心となるストーリーが伝わりやすいと考えた」からだ。「舞台ならではの役者の面白さに対抗するには強烈なキャラクターが必要との判断もあった」

学生たちがうかつな時間旅行を繰り広げる「四畳半タイムマシンブルース」

いざ書いてみると「前作は『私』と小津の関係が中心だったのに対し、今回は明石さんとの恋愛に光が当たった」。一方、上田が生んだキャラクターである田村君は「舞台で見たままのイメージで書いた」という。

「並行世界など大がかりなしかけを使いつつも、結局身近な話で勝負するのが2人の共通点かもしれない」と森見は分析する。それが相乗効果を発揮して楽しい作品に仕上がっている。

(中野稔)

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