荏原の20年12月期、連結純利益27%減に ポンプが低調

荏原は2020年12月期の連結純利益が前期比27%減の170億円になる見通しだと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で通期業績予想の開示を見送っていたが、最近の状況を踏まえ公表した。「社会・産業インフラの需要は一時期に比べ改善」(同社)しているが、主力のポンプなどの受注が低調で利益水準を押し下げる。
売上高は3%減の5060億円を見込む。ごみ焼却場などの環境プラント事業は堅調で、精密・電子事業も旺盛な半導体需要から回復する。だが建築設備向けの汎用的な標準ポンプの需要が落ち込み、上期に受注が減った影響を補いきれない。
同社の20年1~6月期の連結業績は、純利益が7%減の74億円だった。売上高は1%減の2454億円。石油化学プラントや工場、発電所向けのコンプレッサーやタービンの保守サービスで部品販売を伸ばし、精密・電子で半導体関連の設備投資を取り込むなどで、減収を小幅にとどめた。
売上高の3割強を占めるポンプ事業で7月以降の先行きを示す受注高は833億円と6%減っており、コロナ禍の影響はしばらく残る。荏原は環境プラントや半導体関連などでカバーするほか、新たな種まきも急ぐ。
5月には狭い場所を走れる小型ロボットのメーカー、ハイボット(東京・品川)と資本業務提携し、ボイラーの点検に活用するなどの取り組みを始めた。先端技術を取り込んで収益源を増やし、コロナ禍に対しても強い経営の基盤作りを急ぐ。
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