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工場廃液からレアメタル回収 京大発企業、新素材活用

京都大学発スタートアップ企業のディーピーエス(京都市)は工場の廃液などから希少金属(レアメタル)を回収する事業を今秋にも始める。吸着性能の高い特殊なシリカゲルを粉末化した新素材を吸着剤に使う。従来のシリカゲル素材に比べ、約80倍の処理速度で廃液に含まれるレアメタルを回収できる。

京大の中西和樹特定教授(名古屋大学教授)らが発明したシリカモノリスを粉末状にした「DualPore(デュアルポア)」を活用する。シリカモノリスは2段階の細かな穴を持つ構造で、隙間や表面積が大きく、不純物などの吸着性能に優れている。ディーピーエスはさらに、シリカモノリスを特殊な加工で粉末にし、用途を広げる開発を進めてきた。

年内に製造ラインを設け、カートリッジ状にした製品を年間3200本生産する体制を整える。同社は7月に、京大が全額出資する京都大学イノベーションキャピタルから1億円の出資を受けており、設備投資などに充てる。

同社は触媒メーカーやメッキ工場などにカートリッジを販売するほか、カートリッジを回収してレアメタルをリサイクル業者などに販売して収益化をはかる。

同社によると、従来技術では100万分の5以下の濃度で含まれるレアメタルは回収が難しかったが、新技術では100万分の1以下の濃度でも回収できるという。

例えば自動車の排ガス触媒などに使われるパラジウムが500トンの廃液中に100万分の1の濃度で含まれているのを全て回収できれば500グラムとなり、400万円程度の価値となる。

同社の白鴻志社長は「廃液などに眠る貴金属は都市鉱山」と説明する。未回収のまま捨てられたり製品内に残留したりしてリサイクルされない貴金属は多い。代表的な触媒機能を持つプラチナ、パラジウム、ロジウムの場合、国内消費量の3分の2がリサイクルされていないという。

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