空の安全誓い黙とう ろうそく供養、遺族にライブ配信

1985年の日航ジャンボ機墜落事故から35年を迎えた12日、群馬県上野村の墜落現場の麓にある追悼施設「慰霊の園」で午後6時から、追悼慰霊式が開かれた。新型コロナウイルスの影響を考慮し、上野村や日本航空の関係者ら20人弱のみが参列し、墜落時刻の同56分に黙とうをささげた。
冒頭、黒沢八郎村長は「遺族の皆様は悲しみを胸に前を向いて歩かれてきた。航空の安全と命の尊さを発信するという使命を改めて胸におさめ、今後も慰霊式典を続けていく」と強調。国土交通省の大臣として10年ぶりに参列した赤羽一嘉国交相は「安全運航の最後の要は人によるもの。安全神話に陥ることがあってはならない」と話した。

続いてろうそく供養が行われ、遺族の代わりに上野村の職員らが犠牲者の数と同じ520本に灯をともした。供養は遺族向けにユーチューブでライブ中継された。
追悼式の後、日航の赤坂祐二社長は記者団に「事故の教訓はどんな事例よりたくさんのことを学ぶことができる。頭だけでなく、御巣鷹山に登って心で感じることを繰り返しやっていきたい」と述べた。
日航によると、事故現場の「御巣鷹の尾根」には、午後4時現在で50家族141人が訪れた。昨年よりも135人少なかった。