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昭和電工、20年12月期最終赤字900億円に

昭和電工は12日、これまで未定としていた2020年12月期通期の業績予想を公表した。連結最終損益が900億円の赤字(前期は730億円の黒字)になる見通しで、赤字幅は過去最大だ。主力の黒鉛電極の販売が減り、日立化成の買収関連費用などが響く。

通期の業績予想には日立化成の20年7~12月期の業績を取り込む。連結売上高は前期比6%増の9600億円、営業利益は300億円の赤字(前期は1207億円の黒字)と見込む。中間配当はゼロとして、年間配当予想は引き続き公表を見送った。

昭和電工の既存の事業も環境が悪化している。黒鉛電極は鉄鋼生産の落ち込みや市況の悪化を受けて、販売量が落ち込んでいる。石化製品も原料のナフサ(粗製ガソリン)値下がりに伴う在庫評価損が発生。生産が停滞する自動車向けも、関連部材の苦戦が避けられない。

6月に約9640億円で完全子会社化した日立化成の買収費用も大きい。アドバイザリー費用などに482億円を計上する。のれん代は評価作業を進めており、現時点で約6000億円を想定。20年12月期は187億円の償却費を計上する予定だ。

森川宏平社長は12日のオンライン会見で、日立化成の柱である情報通信と自動車関連の事業について「21年以降は大きな心配はしていない」と述べた。いずれも市場全体の成長が見込まれ「2社統合後の成長の中心になる製品だ」と強調した。

もちろん資産圧縮やコスト削減も進めていく。かねて日立化成との生産設備の融通などで200億円以上を削減する方針を掲げていた。

この日は、設備投資を500億円抑えるとともに、政策保有株式の売却などで450億円以上、非中核事業の売却で2000億円を生み出す計画を明らかにした。

ただ、巨額買収に伴う財務負担は重くのしかかる。6月末の自己資本比率は20%と前年同期(46%)に比べ大きく下がった。1~6月期のフリーキャッシュフロー(純現金収支)も7873億円の赤字(前年同期は226億円の黒字)。6月末の現金および同等物は1975億円だ。

市場では「減損リスクが高まっている」(証券アナリスト)との見方も出ている。竹内元浩最高財務責任者は「日立化成の収益性は我々が期待する高い水準が見込まれ、減損が近い将来起こるとは極めて考えにくい」と説明するが、コロナ禍という逆風が長引く可能性もある。買収効果とともに、環境の変化に機敏に対応できる体制づくりも注視されている。

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