英GDP、4~6月は最悪の20.4%減 欧州主要国で突出

2020/8/12 18:42
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英経済は都市封鎖の長期化で大きく悪化した(6月、営業休止中のロンドン中心部の百貨店)=AP

英経済は都市封鎖の長期化で大きく悪化した(6月、営業休止中のロンドン中心部の百貨店)=AP

【ロンドン=篠崎健太】英統計局が12日発表した2020年4~6月期の英実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、前期比で20.4%減だった。新型コロナウイルス禍で個人消費や生産活動が停滞し、過去最大の縮小を記録した。小売店などサービス業の再開出遅れが響き、欧州域内で悪化ぶりが突出した。

英GDPは1~3月期(2.2%減)から2期連続で減り、深刻な景気後退に陥った。4~6月期は四半期の統計がある1955年以降で最悪の落ち込みになった。これまで減少率が3%を超えた例はなく、外出や移動の凍り付きによって桁違いの景気収縮に見舞われた。19年10~12月期からの減少率は22.1%に達した。

支出面の内訳をみると、全体の約6割を占める個人消費が23.1%減った。新型コロナの感染防止へ3月下旬から全土がロックダウン(都市封鎖)に入り、生活必需品を売るスーパーなどを除く商業施設が広範に止まったのが直撃した。企業投資は31.4%縮小した。輸出は11.3%減で2期続けて2ケタの落ち込みになった。

英経済の悪化度合いは欧州内で突出している。4~6月期GDPの減少率は発表済みのドイツ(10.1%)やフランス(13.8%)よりきつく、観光需要の蒸発で打撃を受けたスペイン(18.5%)よりも落ち込んだ。足を引っ張ったのは経済活動の再開の遅れだ。

独仏では5月から小売店の営業再開が段階的に認められたが、英国で百貨店などが再開したのは6月15日だった。飲食や宿泊業の休業解除は7月4日にずれ込んだ。3月の制限導入も出遅れ、後手に回った対応が経済に響いたとの見方が出ている。英資産運用会社プレミア・ミトン・インベスターズのジョン・ハドソン氏は「ロックダウン導入の遅れの重い代償を示した」と指摘する。

英景気は4月を底に緩やかな回復をたどっている。同時に発表された月次GDPによると、6月は前月比8.7%増えた。新型コロナ対策の制限緩和を支えに、7月以降も回復は続きそうだ。

ただ経済活動がコロナ前の水準を取り戻すには時間がかかるとの見方が多い。英イングランド銀行(中央銀行)は6日公表の金融政策報告書で「21年末までは回復しない」との認識を示した。

英政府は新型コロナで休業を迫られた人への所得補償策を10月末で終了する構えで、政策効果の息切れ懸念も根強い。オランダ金融大手INGグループは「失業の増加が経済回復への最大の脅威だ」と指摘した。英経済がコロナ前水準に戻るには「少なくとも2~3年かかる」とみている。感染再拡大も警戒されるなか経済正常化の道のりは険しい。

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