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証券SE「まさ」さん、金融教育志向のブログと動画

投信ブロガー

ブログ「金育SE:証券SEが伝えるお金の育て方」を運営する「金育SEまさ」さんは、今年30歳になる独身男性で都内の賃貸住宅に住んでいる。証券会社を中心とした機関投資家向けのシステム開発に従事しているシステムエンジニア(SE)だ。

「金育」には「金融教育」と「お金を育てる」の意味を込め、ブログでは金融リテラシー(知識)向上につながる情報発信をしているという。動画投稿サイト「ユーチューブ」では初心者向けを意識して、お金の基礎知識に関する動画を配信するなど活動は精力的だ。まささんの資産運用と金融教育への思いについて聞いた。

FXの短期売買をやめ、ほったらかし投資に

――どういうきっかけで投資を始めたのですか。

「本格的に投資を始めたのは社会人になってからです。大学時代はスキーに没頭していたので、それに必要な年間50万円ほどの費用を捻出するために、たまたま知った外国為替証拠金(FX)の取引をして、アルバイト感覚で稼いでいました」

「ただFXはチャート画面に張り付きながらの短期売買が基本なので、さすがに社会人になってから続けていくのは無理でした。資産運用の手法を考え直したところ、著名ブロガーの方の考え方に共感。投資信託の長期ほったらかし投資を始めることにしました」

給料が元手なら積み立て投資が自然

――金融資産の配分と投資ファンドを教えてください。

「現在のリスク資産と現金の保有比率は6対4です。リスク資産は株式に投資する投信と従業員持ち株会の自社株です。現金は生活防衛資金として、生活費の1年分を目安にしています」

「世界のどこの株が有望かは分からないので、投信は日本以外の全世界に投資するタイプに決めています。日本株は自社株のみにして、自社株の売却を繰り返しながら日本株の比率と海外株や現金とのバランスを取っています」

「投信は仕事をしていてもほったらかしにできるインデックスファンド、中でも信託報酬が低いだけではなく、組み入れ株式の保管費用などを含む実質コストができるだけ安い投信を選んでいます(図A)」

「投資の元手は毎月の給与なので、積み立て投資が自然だと思います。そのうえで、長期投資に便利なつみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)をフル活用しています」

「毎月の投資金額は持ち株会への拠出金を合わせて十数万円ほどで、リスク資産全体のリターンは31%程度(20年7月末時点)です」

信頼される情報発信者になりたい

――ブログや動画配信を始めた動機は何ですか。

「ブログは2019年10月に開設しました。仕事で大学生向けの金融教育セミナーの運営に関わったことをきっかけに、金融知識のないスキー仲間の友人や後輩学生に教えるにはどうしたらよいか考えを巡らせました」

「ブログも動画も、友人一人ひとり別々に一から話すより『これを見て!』と言えるものを準備したほうが手っ取り早いと考えて始めました。ブログは投資の話題を中心として、その他に家計管理や保険、年金問題など金融知識全般についても広く取り上げるようにしています」

「ブログでは資産運用業界のやや専門的な内容も話題にしていますが、動画は初心者向けを意識し、難しいものは作らないと決めて配信しています」

――投資を始めてよかったですか。

「投信の長期のほったらかし投資を始め、そして続けることでお金への感度が高まり、漠然とした不安がなくなりました。将来のライフプランを強く意識するようになり、長期的な資産計画などもしっかり立てるようになりました」

「ブログを通じて、多くの方とのつながりも増えました。オンラインのオフ会にも頻繁に参加しています。人それぞれの投資先や考え方の違いも分かり、とてもためになります」

「友人に投資の話をして、実際に資産運用の一歩を踏み出してくれるととてもうれしいです。投資未経験者は、投資の本を読むのも選ぶのにも一苦労しますが、お金の話に関しては『話す人が信頼できるか』をよく見ています。自分自身が信頼される情報発信者になり、より多くの人の金融知識向上につながればいいなと思っています」

現金の大切さ、身に染みる経験

――成功体験や失敗談はありますか。

「成功体験といえるか分かりませんが、社会人になってからの投資の利益が100万円を超えた時には驚きました。積み立て投資はすぐには収益が出ませんが、コツコツ続けることで利益が増えていく長期積み立ての威力を実感しました」

「失敗談は2つ。1つはFXでの大幅損失です。社会人になってもまだFXをしていた時に、全く予期していなかったブレグジット(英国の欧州連合離脱)による市場の大混乱に巻き込まれ、一気に損失額が100万円に膨らみました。それ以降、FXからは完全に手を引きました」

「2つ目は、現金比率が下がり過ぎて精神的な不安に襲われた経験です。18年末に株式相場が大きく下がった時には現金比率が全資産の10%ほどしかなく、自社株も大きく値下がりしたため平常心を保つのに苦労しました」

「現金を保有する重要性が身に染みて分かり、今の資産運用の方針に生かしています。実際、今回のコロナショックでは現金比率を高めていたので、全く不安を感じることなく冷静に対処することができています」

――これから資産運用を始める人、特に同年代へ向けて何かアドバイスを。

「投信選びは簡単ではないかもしれませんが、『投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year』でランクインした投信などから、まずは購入してみることをお勧めします」

「運用コストの仕組みなど、実際に投資を始めてみないと理解できないことがたくさんあります。いったん投信を買うと世界の経済動向や商品の特徴に目が向くので、その先は自分に合った投信を探していけばいいと思います」

「重要なのは『途中退場しないこと』です。私もFXで大損しても、資産運用はやめずに続けています。まずは生活費1カ月分をためてから、投資と貯金を同時進行でやってみましょう」

(QUICK資産運用研究所 聞き手は西本ゆき、高瀬浩)

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