ライドシェアの運転手は「従業員」 米上級裁が仮命令

2020/8/12 7:14
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ウーバーやリフトへの風当たりが強まっている

ウーバーやリフトへの風当たりが強まっている

【シリコンバレー=奥平和行】米サンフランシスコ郡のカリフォルニア州上級裁判所は11日までに、米ライドシェア大手のウーバーテクノロジーズとリフトに対して運転手を従業員として扱うことを求める仮命令を出した。両社は命令を不服として上訴する見通しだが、社会保険料などのコストが増えて事業の制約となる可能性がある。

カリフォルニア州は1月、インターネットを通じて単発や短期の仕事を請け負う「ギグワーカー」の権利を守るために「AB5」と呼ぶ新法を施行した。ウーバーとリフトは運転手を独立事業主と位置付けてきたが、同州の司法長官が雇用形態の見直しなどを求めて5月に提訴した。

AB5はギグワーカーを独立事業主として認定するには「会社の通常業務の範囲外の仕事をしていること」など3つの条件を満たすことが必要と定めている。上級裁はウーバーなどの運転手が同条件に当てはまらないと結論づけた。一方、10日間は命令を停止するとしており、米メディアによると両社はこの期間に上訴する方針だ。

ギグワーカーを巡っては、時間や場所の拘束を受けずに自由に働くことができるとの評価がある一方、事業者は最低賃金や有給休暇といった負担を回避しているとの批判も出ていた。労働者保護の観点からAB5を施行したカリフォルニア州に対し、両社などはギグワーカーの権利を侵害するといった主張を展開していた。

一方、規制強化でライドシェア事業者の運営コストが増し、運賃が上昇するなど消費者にも不利益が及ぶとの懸念もある。ウーバーなどは多額の予算を投じてギグワーカーの声を紹介するテレビ広告を流している。AB5が無効であることの確認を求める訴訟を起こしたり、AB5よりも緩やかなギグワーカー保護の法律を住民運動で制定させたりする動きもある。

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