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クアルコムの独禁法違反認めず、FTC訴訟で米高裁

【シリコンバレー=佐藤浩実】米連邦取引委員会(FTC)と米半導体大手クアルコムの訴訟を巡り、米サンフランシスコの連邦控訴裁判所(高裁)は11日、同社を反トラスト法(独占禁止法)違反とする連邦地裁の判決を破棄した。クアルコムにとっては逆転勝訴となる。FTCが再考を求める可能性はあるものの、2017年から続く訴訟は節目を迎えた。

米連邦控訴裁は11日、クアルコムを「独禁法違反」とする地裁判決を取り消した

FTCはクアルコムが十分なライセンス料を支払わないスマートフォンメーカーに半導体を供給しないのは優越的地位の乱用だと主張していた。

控訴裁は11日に公開した文書で「本件は違法な反競争的行為と、そうではない『ハイパーコンペティティブ(非常に競争的)』な行為の線引きを問うものだった」と総括した。17年1月にFTCが訴えた独禁法違反は認められなかったとし、クアルコムに商慣習の見直しを求めた19年5月の地裁判決を取り消した。

クアルコムは主にスマホ向けの通信半導体と、関連特許の使用権を販売している。地裁は「ノーライセンス、ノーチップ(ライセンス料を払わなければ半導体も売らない)」というクアルコムの姿勢を問題視したが、控訴裁は市場の競争を妨げるものではないとの見解を示した。

同社のドン・ローゼンバーグ上級副社長は文書での取材に対し「(控訴裁の判断は)クアルコムのビジネスモデルを正当化し、当社が業界に多大な貢献をしてきたことを示している」と答えた。一方、FTC競争局のイアン・コナー局長は「裁判所の判決は残念であり、今後の選択肢を検討する」と声明を出した。

FTCとクアルコムの訴訟に関し、19年には米司法省が「(地裁判決は)競争やイノベーション、安全保障を脅かす」とクアルコムを擁護する姿勢を見せていた。高速通信規格「5G」技術で米国を代表する企業の1社であることが背景にあるが、11日の控訴裁の判断に影響を与えたかは不明だ。

クアルコムは反競争的行為を巡って米アップルとも法廷係争をしていたが、19年4月に和解し、次期「iPhone」にはクアルコムが5G用の半導体を納める。20年7月には中国の華為技術(ファーウェイ)とも特許使用料をめぐる紛争で和解した。複数の係争が決着しつつあることで、クアルコムの株価は過去1年間で5割以上上昇している。

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