原発避難で東電に賠償命令 国責任は認めず、仙台地裁

東日本大震災10年へ
社会・くらし
2020/8/11 14:57 (2020/8/11 19:40更新)
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東京電力福島第1原発事故で福島県から宮城県などへの避難を強いられた住民ら83人が国と東電に計34億4175万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は11日、東電に対し、原告77人に計約1億4458万円を支払うよう命じた。国の責任は認めなかった。原告側は控訴する方針。

全国約30件の同種訴訟で一審判決は17件目。国が被告になった13件のうち、国の責任を否定したのは6件目となる。

判決理由で村主隆行裁判長は、2002年の政府の地震予測「長期評価」に基づき、東電が08年に行った計算で敷地高さを5メートル以上超える津波が来る可能性が分かったと指摘。東電が国に速やかに報告していれば、事故を防げた可能性があると認定した。その上で「原発を止められる恐れがあるとして速やかに報告せず、都合の悪い事実を隠蔽する悪質な対応だ」と非難した。

その後東電は貞観津波(869年)に関する論文を基に敷地を上回る津波が来るとの計算結果を国に報告。国は10年3月時点で「対策を命令すべきかどうか検討する義務があったが、一切せず違反した」と認めた。しかし「命令を出しても事故を防げなかった」として対応の違法性は否定した。

賠償額を巡り、村主裁判長は東電の津波対策の先送りで原告の精神的苦痛は著しく増大したと指摘。避難と古里喪失への慰謝料を地域ごとに算定し、原発が立地する双葉町の1500万円から、早期に避難が解除された南相馬市原町区の180万円などとした。

この他に放射線による健康不安への慰謝料を上積み。賠償済みを差し引いて東電が支払う賠償は1人当たり3万4千円~900万円となった。原告6人は請求を棄却された。〔共同〕

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