中国卸売物価、7月2.4%下落 6カ月連続

【北京=川手伊織】中国国家統計局が10日発表した2020年7月の卸売物価指数(PPI)は前年同月比2.4%下落した。6カ月連続で前年の水準を下回った。最近の原油価格の上昇で下落幅は6月(3.0%)より縮まったが、企業間で取引する製品には物価下押し圧力が残る。
業種別にみると、素材・中間財では石炭や化学繊維が卸売物価を下押しした。自動車が0.4%、パソコンや通信機器が0.8%それぞれ下落するなど、最終商品でも下落が目立った。
PPIは前月比では0.4%上昇と、2カ月連続で前月を上回った。石油・天然ガスが前月比で12.0%伸び、全体を押し上げた。
同時に発表した7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.7%上昇した。上昇幅は6月(2.5%)からやや拡大した。豚肉が85.7%上昇と前月より伸び率を拡大するなど、食品価格の上昇でほぼCPI全体の上昇分を説明できる。
食品以外では医療保健が物価を押し上げた。食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年同月比0.5%の上昇と、6月(0.9%)より伸びが鈍った。