国家試験もコロナ警戒 体温測定や消毒、会場分散も

2020/8/9 23:00
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税理士試験の会場となる幕張メッセ(千葉市美浜区)

税理士試験の会場となる幕張メッセ(千葉市美浜区)

新型コロナウイルスの感染が再び拡大するなか、近く予定される国家試験の実施団体が対策に苦心している。多くの受験者が集まる会場は「密」になりやすく、体温の測定や会場の消毒を徹底。イベント規模を5千人以下に抑える政府方針を受け、会場も分散させる。

「考え得る感染予防策を全て徹底したい」。約4100人が受ける司法試験が今月12日から始まるのを前に、法務省の担当者は気を引き締める。司法試験は例年5月だが、新型コロナを受けて4月に延期が決まった。試験が現行制度となった2006年以降、延期は初めての事態だ。

実施主体の司法試験委員会は7月に感染防止対策をホームページで公表した。試験場入り口にサーモグラフィーを設置して受験者の体温を測定。受験者にはマスクの着用を求め、手袋などの使用も認める。試験監督員はフェースシールドを着けて対応し、試験終了後は会場を消毒する。

司法試験法は「司法試験及び予備試験は毎年1回以上行う」と規定しており、同省によると実施されなければ同法に抵触する。同省幹部は「再延期となった場合は改めて採点者のスケジュールを確保するなどの必要が出てくるため、受験生だけでなく運営側の負担も大きい。これ以上遅れることなく試験を終えたい」と話す。

8月には司法試験と同様に根拠法で「年1回以上行う」と定める税理士試験と社会保険労務士試験も予定される。受験申込者は税理士試験が約3万5千人、社会保険労務士試験が約4万9千人で、司法試験よりも規模が大きい。

8月18日から始まる税理士試験では会場の一つ、幕張メッセ(千葉市美浜区)の受験者の多さが問題となった。政府は7月22日、感染リスク低減のためイベント規模を5千人以下とする制限を8月末まで続けると決めた。しかし幕張メッセでは受験申込者が延べ1万6千人を超えた。

試験を実施する国税庁所管の国税審議会は試験もイベントにあたると判断し、受験者を分散させることを決めた。都内などで新たに3カ所を確保し、会場が変わる受験者には既に郵送済みだった受験票を送り直したという。担当者は「短期間での調整は大変だが、感染拡大を招くわけにはいかない」と話す。

8月23日の社会保険労務士試験は当初、各地の大学を中心に全国25カ所の会場を予定していた。しかし新型コロナの感染拡大を受け「貸せなくなった」と申し出る大学が相次ぎ、実施する全国社会保険労務士会連合会は急きょ追加で複数の会場を手配したという。受験者にはさらに変更点が生じないか試験当日までホームページをチェックするよう呼びかけている。

国家試験以外でも影響や工夫は続いている。日本英語検定協会は8月23日の英検2次試験について、受験者の分散などのため首都圏の一部地域で試験日を3つに分けるなどした。家電製品協会は9月に実施する認定資格「家電製品アドバイザー」などで従来のペーパー試験に代え、パソコンを使用し日程を選べる「CBT方式」を導入する。

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