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レバノン首都で大規模デモ 首相、早期選挙提案へ

(更新)
8日、ベイルート中心部に集まったデモ参加者ら=ロイター

【イスタンブール=木寺もも子】大規模爆発の起きたレバノンの首都ベイルートで8日、数千人が反政府デモに参加した。地元メディアによると警察官1人が死亡し、700人以上が負傷した。爆発の背景には政府機関の怠慢や腐敗があるとみられ、市民は怒りを募らせる。ディアブ首相は早期の選挙実施を求めた。

レバノン紙デーリー・スターによると、デモ参加者は「裁きの日だ」などとして、政府の責任を追及した。一部は外務省やエネルギー省などの建物に押し入り、治安機関は催涙弾を使用した。ロイター通信は実弾が発射されたとも伝えた。

ディアブ氏は8日夜「この危機を乗り切るには早期選挙しかない」と述べ、議会に対して2022年に予定されている議会選の前倒しを提案する考えを示した。

4日に起きた爆発を巡っては危険物の硝酸アンモニウム2750トンが6年間、必要な安全対策なしで港に保管されていたことが明らかになった。アウン大統領は7日「ロケット弾や爆弾など外部からの干渉があった可能性もある」と事件性をほのめかしたが、レバノンのフリーランス記者は「ほとんどの市民は批判をそらすための言い訳と受け止めている」と話す。

レバノン公衆衛生省は8日、爆発による死者は158人に達し、21人が行方不明、6000人超が負傷したと明らかにした。約30万人が自宅を失ったとみられている。

9日には旧宗主国のフランスと国連が主催し、レバノンに対する人道・復興支援のためのオンライン会合が開かれた。

欧州連合(EU)のミシェル大統領は8日、支援会合に先立ってベイルートを訪問し、アウン氏やディアブ氏らと会談した。ミシェル氏はレバノンへの連帯を示すとともに「抜本的な構造改革が必要だ」とし、政治腐敗への対策などを求めた。

レバノンは公認宗派が18ある「モザイク国家」で、1975~90年の内戦後、各派で政治ポストや議席を分け合う仕組みを導入した。公的セクターの派閥主義は非効率な運営や腐敗の温床となり、改革は滞った。

経済の悪化に伴い、19年秋には大規模な反政府デモが起きてハリリ前首相が辞意を表明し、20年1月にディアブ氏が就任した。3月には初の債務不履行(デフォルト)を宣言した。通貨レバノンポンドの対ドルレートは爆発前から闇相場で1年前の5分の1に急落し、激しいインフレが市民生活を圧迫していた。

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