平和の鐘、世界中のコイン集め鋳造(古今東西万博考)
1970年・大阪

関西タイムライン
2020/8/11 2:00
保存
共有
印刷
その他

平和の鐘には平和への祈りが刻まれている

平和の鐘には平和への祈りが刻まれている

1970年の大阪万博跡地にできた万博記念公園(大阪府吹田市)内には、太陽の塔や日本庭園など当時の面影が色濃く残っている。大阪万博に関連する資料を集めた施設「EXPO'70パビリオン」のすぐ目の前にあるモニュメント「平和の鐘」(直径約52センチメートル、高さ約70センチメートル、重さ約151キログラム)もその一つだ。

日本国連協会理事であった故・中川千代治氏(元愛媛県宇和島市長)が、世界平和への願いを込め、世界65カ国から集めたコインなどから「世界絶対平和萬(万)歳」と刻印した鐘を鋳造し、54年に国連本部に贈った。国連への寄贈から16年後の70年、日本に里帰りして万博会場の国連館にあった総ヒノキ造りの鐘楼でつり下げられた。中川氏は終戦記念日の8月15日に鐘を鳴らした。人類の進歩と調和をうたった万博が、平和の祭典ともなるよう祈ったという。

平和の鐘が日本へ里帰りしていた期間、国連本部に留守番役として姉妹鐘(レプリカ)が置かれた。中川氏が世界133カ国から集めたコインなどから鋳造されたもので、万博閉幕後に鐘楼とともに日本万国博覧会協会に寄贈。大阪モノレール万博記念公園駅近くの施設のそばに置かれた。大阪府は2017年、人目に触れる機会を増やすため「EXPO'70パビリオン」隣の現在地に移転した。

移転後には、国連本部の平和の鐘と同じく国際平和デー(9月21日)に姉妹鐘も鳴らされるようになった。府は20年度、将来にわたって保存・活用するために鐘楼全体の耐震性を調査する考えだ。現在は柵に囲われて近づけないが、いずれは誰もが打ち鳴らせるようになるかもしれない。

(皆上晃一)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]