/

個人消費回復に所得減の重荷、6月の残業代24%減

(更新)
残業代の減少などによる所得の落ち込みが消費者心理に影を落とす(東京・丸の内)

所得の減少が個人消費回復の重荷になる恐れが出ている。残業代などを示す6月の所定外給与は2カ月連続で2割以上落ち込み、新型コロナウイルスの感染再拡大は消費者心理に影を落とす。6月に前月比プラスになった消費支出は、7月に入り外食や家電販売などで回復に足踏みがみられる。

厚生労働省が7日発表した6月の毎月勤労統計調査(速報)によると、6月の所定外給与は前年同月比で24.6%減った。所定内給与も含めた現金給与総額は44万3875円と1.7%減だった。所定内の給与は前年とほぼ同水準で、所定外が減った影響が大きい。

所定外給与は5月の26.3%減に次ぐ過去2番目の落ち込みとなった。企業の多くは経営環境の悪化を従業員の就業時間の調整で乗り切ろうとしている。テレワークの拡大も残業時間の減少につながっているようだ。

西武ホールディングスは業務の効率化を進めて時間外労働を減らし、2020年4~6月期の連結ベースの人件費を前年同期から30億円程度削減した。JR東日本は賞与の減額などで単体の人件費が同14%減った。

スシローグローバルホールディングスの4~6月期の売上高は前年同期比で67億円減り、人件費は10億円削減した。売り上げに応じアルバイトのシフト管理を徹底した。

給与の減少は6月時点ではまだ消費に影響していない。総務省が7日発表した6月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は季節調整済みの前月比で13.0%増えた。4カ月ぶりにプラスに転じ、比較可能な2000年2月以降で最大の上げ幅となった。

特に伸びたのがエアコンやテレビ、ソファなど高額な家具・家電類だ。政府による1人10万円の特別定額給付金が高額消費を後押しした。給付金を含む実収入は2人以上世帯で前年同月から15.6%増え、一時的に家計は潤っている。

総務省によると給付金の支給は6月時点でまだ半分程度にとどまる。7月以降も新たに給付金を受け取る人が消費を増やす可能性がある。ただ家計調査をみると世帯の定期収入や賞与は前年同月比マイナスだ。政策効果を除けば所得環境は悪化しており、消費回復に水を差しかねない。

7月以降は新型コロナの感染再拡大や天候不順を受け、消費の回復に足踏みがみられる。

ナウキャスト(東京・千代田)とJCBによるクレジットカードの決済額をもとにした消費動向指数をみると、7月前半の速報値でサービス消費の一部が再び落ち込んだ。4月後半を底に縮小していた外食や交通の前年比のマイナス幅は6月後半より広がった。

経済産業省が集計するPOS(販売時点情報管理)販売額の週次のデータでも、給付金の影響で5月半ばから前年比2桁増が続いていた家電が7月には前年比マイナスとなる週も出てきた。

日本総合研究所の松村秀樹氏は「給付金の効果が消えれば所得環境がいよいよ悪くなる。コロナの感染の再拡大や給与の削減が続けば、消費の回復ペースは遅れるだろう」と指摘する。

新型肺炎

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン