お盆休み、目立つ帰省自粛 自治体も対応割れる

2020/8/7 18:38
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羽田空港から各地へ向かう人たち(7日)

羽田空港から各地へ向かう人たち(7日)

新型コロナウイルスの感染が各地で再拡大するなか、お盆休みが8日から本格的に始まる。例年なら交通機関が混雑する時期だが、今年は移動を見送る人が多く「8割は帰省しない」という調査結果も。各地の知事からは「お盆は特別」と帰省に理解を示す声の一方で、自粛を求める動きもあり、対応は割れている。

7日午後、東京・羽田空港では早くも帰省する人たちの姿がみられたが、搭乗手続きや保安検査場に列ができることはなかった。北海道の実家に帰る妻と子ども3人を見送りに来た都内の男性公務員(36)は「特に職場から言われているわけではないが(自分の帰省は)自粛した」として家族との同行は避けた。

今夏は新型コロナを理由に帰省を見合わせた人が多い。大分県に帰ることを断念した都内に住む公務員の女性(28)は「1年ぶりで楽しみにしていたが、仕方ない」と話す。地元の友人との再会も計画していたが、実家は高齢の祖父が同居し、母親の仕事は介護関連。「万が一のことがあってはいけない」と見送りを決めた。

「今年は帰ってこないでほしい」。子ども3人と関西の実家に帰る予定だった都内の主婦(40)は数日前、母親からの電話で新幹線の予約をキャンセルした。都内で新型コロナの感染者数が急増し、母親から「万が一、感染したら近所から娘が帰省したせいだと思われかねない」と言われた。

楽しみにしていた子どもたちは落胆し、自身も「東京に住んでいるだけでこんなに不自由な思いをするなんて」と寂しく感じた。「自分が持ち込んで高齢の親にうつしてしまう可能性がないとは言えない」と考え直し、都内でゆっくり過ごすつもりだという。

インターネット調査会社のクロス・マーケティング(東京・新宿)が7月中旬、全国の20~60代の男女に調査したところ、回答した1100人のうち78%が「帰省する予定はない」と回答した。予定がある人の47%は帰省先が同じ都道府県内で、心配事も「公共交通機関で移動中の『3密』」がトップ。長距離の移動を避ける姿勢が鮮明になった。

赤羽一嘉国土交通相は7日の閣議後の記者会見で、「新幹線や航空便の予約状況をみると慎重な対応で、例年のような状況にはならない」と述べ、自粛には言及しなかった。

大阪府の吉村洋文知事も「移動自体にリスクはない。帰省先で大人数で騒いだりせず静かに親族で過ごしてもらったらいい」と述べた。「ふるさとや親を思うという点でお盆は特別」(栃木県の福田富一知事)、「友達や親戚には会いたいもの。県民には温かい心で迎えてほしい」(青森県の三村申吾知事)など、帰省に理解を求める知事も少なくない。

一方で、各地の知事からは自粛を求める声も上がっている。

中国地方5県の知事で構成する中国地方知事会は、地元へ帰省するかどうかを各県民に十分検討するよう求めた。会長の伊原木隆太・岡山県知事は「高齢の家族がいるなどリスクが高い場合は、やめることも考えてほしい」と述べた。

「もう一度家族と検討してほしい」と慎重な対応を求めるのは愛知県の大村秀章知事。6日に県独自の緊急事態宣言を出し、県境をまたぐ不要不急の移動を控えるよう要請した。隣接する三重県の鈴木英敬知事も、感染者が急増している地域からの帰省に対し「今その必要があるか、立ち止まって考えてもらいたい」と再考を求めた。

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