中国、中小銀行の破綻処理終結 不良債権比率98%

2020/8/7 17:29
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【北京=川手伊織】中国人民銀行(中央銀行)は6日、内モンゴル自治区の地方銀行、包商銀行の破産申請を容認すると明らかにした。大株主による資金流用などで資産が大幅に劣化していた。破産申請の容認で破綻処理が事実上終結する。中国での中小銀行の破綻処理は約20年ぶり。

包商銀行は2017年1月に香港で失踪した著名投資家の肖建華氏が率いた明天集団が支配していた。同銀を接収した当局関係者によると、同集団が約1500億元(約2兆3千億円)の資金を流用し、全額不良債権となった。不良債権比率は98%になった。

19年5月に実質国有化し、包商銀行の資産や業務は4月末に開業した蒙商銀行と安徽省合肥市の地方銀行である徽商銀行が引き継いだ。個人の預金は全額保護の対象となったが、一部企業の大口預金に対しては平均1割カットする「ペイオフ」も実施した。当局は包商銀行の債務超過を招いた関係者の責任を追及していく方針だ。

明天集団の傘下にあり「明天系」と呼ばれる金融機関の実質国有化は包商銀行だけではない。中国の金融監督当局は7月、証券、保険など金融機関9社を実質国有化した。いずれも明天系で、企業統治の機能不全を問題に挙げた。同集団は海外投資を拡大し、人民元急落や外貨準備の流出を招いた経緯がある。米国との対立が激しくなるなか、貴重なドル資産を流出させる民間企業をけん制する狙いがあるとされる。

中国の金融機関で破産申し立ての権限は人民銀行など監督当局が持つ。1998年に海南発展銀行(海南省)を初の閉鎖処分としたほか、01年に汕頭市商業銀行(広東省)を再編処理した。

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