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大統領派が過半数、スリランカ議会選 中印との距離焦点

5日投票のスリランカ議会選(一院制、定数225)はゴタバヤ・ラジャパクサ大統領の支持勢力が過半数を得て、圧勝した。同国の選挙管理委員会が7日発表した集計でわかった。昨年11月に当選した同氏が基盤を固めた。当面は同国への影響力を競う中国、インドとの距離が焦点となる。

スリランカ議会選で投票後、支持者に手を振るラジャパクサ大統領(5日、コロンボ)=ロイター

選管によると、ゴタバヤ氏の兄で首相のマヒンダ・ラジャパクサ元大統領が党首を務めるスリランカ人民戦線(SLPP)が145議席を獲得して第1党になった。

マスクをして選挙戦をたたかったラジャパクサ大統領の兄、マヒンダ氏(1日、スリランカ南部)=ロイター

ロイター通信は同党とほかの少数政党を合わせた大統領支持派が計150議席に達し、憲法改正に必要な全体の3分の2を確保したと報じた。

2015年の前回議会選で106議席を得て最大だった統一国民党(UNP)は1議席に落ち込んだ。選挙前にUNPから離脱した統一人民戦線(SJB)が54議席で、第2党となる見通しだ。

マヒンダ氏は7日、ツイッターに「大統領や私、SLPPを信頼し、圧倒的な票を与えてくれたすべてのスリランカ人に心から感謝する」と投稿し、勝利を宣言した。

当面は隣国インド、同国との摩擦を抱える中国との関係をどう構築するかに国際社会の関心が集まる。インド洋にあるスリランカは地政学上の要衝で、中印が自陣営への引き入れに懸命だからだ。

中国はスリランカを広域経済圏構想「一帯一路」に組み込み、同国への融資や支援を強化。05~15年に大統領を務めたマヒンダ氏は「中国マネー」頼みのインフラ整備を進めた。同氏の時代に開発した南部ハンバントタ港は17年、債務返済に窮して中国側に運営権を譲渡した。中国による「債務のわな」の典型例だ。

19年11月就任のゴタバヤ氏はマヒンダ氏を首相に就けたため、親中派だとみられた。だがゴタバヤ氏は大統領就任後の初外遊先にインドを選び、4億ドル(約420億円)規模の経済支援を約束させた。

インドのモディ首相は6日夜、大統領支持派が勝利したと判断し、いちはやくマヒンダ氏に電話で祝意を伝えた。モディ氏はゴタバヤ氏の大統領当選時にも同氏に電話し、訪印を求めた。

議会選の勝利で、立役者のマヒンダ氏が首相に再任されるのは確実だ。

政権が中国へ傾く兆しはすでにある。3月には外貨準備の積み増しや新型コロナウイルス対策のため中国から5億ドルの緊急融資を引き出した。一方、19年5月に日本やインドと交わした西部コロンボ港の共同開発を巡る覚書を調べ直すため、ゴタバヤ氏は7月に新たな委員会を設けた。

いまのところ外交筋の多くは「スリランカが過度な対中依存に戻ることはない」とみている。中国との関係の深さが15年の大統領選でマヒンダ氏が敗れた一因だとされているからだ。だが、憲法改正も視野に入る強大な権力を政権が握れば、事情が変わりかねない。

内政では日本人1人を含む250人以上が死亡した19年4月の連続爆破テロ後に大きく落ち込んだ経済の再建や、新型コロナの抑制などが大きな課題になる。(早川麗)

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