中国が途上国融資を増やす狙いは?

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2020/8/7 7:00
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2020年8月7日の日本経済新聞朝刊1面に「中国対外融資が膨張」というニュースがありました。中国による発展途上国への融資は、世界最大の開発援助機関である世界銀行に肩を並べました。中国が貸し付けを増やす狙いは何なのでしょうか。

中国が香港への統制強化のために施行した香港国家安全維持法。6月末の国連人権理事会で、53カ国が他国によるこの法律への批判は「内政干渉に当たる」とし、中国を支持しました。53カ国には中国が開発資金の融資などをする国が名を連ねます。膨大な融資によって債務国の政策や外交に圧力をかけることを「債務のワナ」と呼び、中国の融資がこれにあたると指摘する声が多くあります。

中国が債務国からインフラ権益や軍事的協力を得るケースもあります。返済に行き詰まったスリランカは17年、主要港湾を中国国有企業に99年間もリースする事態に陥りました。また、中国からの借り入れが国内総生産(GDP)の39%に達したアフリカのジブチでは、中国軍の基地が建設されました。

中国の融資は金利が平均3.5%と、IMFの0.6%や世銀の1%を大きく上回ります。金利が高くても途上国が中国を頼るのは、融資を受ける際に財政規律を求められるといった制約がIMFなどに比べて少ないからです。途上国は専制国家が多く、こうした制約を嫌う傾向にあります。しかし財政規律が緩いままでは、債務は膨らむ一方。途上国が「借金漬け」に陥らないよう、国際的な対策が必要です。

20代編集者が同世代にむけて新聞の読みどころを発信する「朝刊1面を読もう/Morning Briefing」は平日朝に公開します。もっと詳しく知りたい人は8月7日の朝刊1面を読んでみてください。

この記事をまとめた人:黒田麻友
2018年入社。1面などの見出し付け・レイアウトを担当。小学3年生のころに学校で「はだしのゲン」などの絵本を読んでから、当時一番怖かったものが「地獄行き」から「戦争」に変わった。
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