対北朝鮮、1000万ドルの人道支援 韓国政府が決定
【ソウル=恩地洋介】韓国統一省は6日、世界食糧計画(WFP)を通じ、北朝鮮に1千万ドル(約10億円)の人道支援を実施すると発表した。乳幼児や妊婦に栄養食品を提供する事業にあてられる。韓国は19年にもWFPや国連児童基金(ユニセフ)の事業に800万ドルを拠出している。

韓国政府はWFPの要請を受け、支援を検討していたが、北朝鮮が6月に南北共同連絡事務所を爆破したため、決定を先送りしていた。韓国の李仁栄(イ・インヨン)統一相は「政治的な問題にとらわれず、人道協力は長い視野で一貫して推進する」と語った。
韓国メディアによると、統一省は砂糖と北朝鮮の酒を「物々交換」する南北交易も検討している。北朝鮮で砂糖は、記念日に特別配給されるぜいたく品として重宝されているという。19年に韓国が5万トンのコメの支援を決定した際は、北朝鮮が受け入れを拒んでいた。