岩手知事「帰省・夏休みの移動 一律の自粛求めぬ」
岩手県の達増拓也知事は6日の定例会見で、県内で5人目の新型コロナウイルス感染者が確認され、全国的に感染が拡大している状況で迎えるお盆の帰省などでの移動について「一律の自粛は要請しないが、慎重な行動をお願いしたい」と県民に呼びかけた。特にお年寄りに接する場合や会食する場合を挙げ、行動に注意を促した。

独自の緊急事態宣言などで移動の自粛を求めている自治体があることについては「日本全体では、県境をまたぐ移動については一律の規制を行わないという国の方針があり、妥当と考えている」と説明。岩手県では現在、そうした対応は必要ないとの認識を示した。
ただ、独自の緊急事態宣言という取り組みについては「人口10万人当たりの新規感染者数が10や15という数字になってきたら、理にかなった対応だと思う」とも指摘。感染者急増への対応として評価する考えも明らかにした。
県は6日、コロナ対策の幹部会議を開催。帰省中の移動などでの慎重な行動のほか、感染者に対する誹謗(ひぼう)中傷などをしないように冷静な行動や感染防止対策の徹底なども呼びかけていくことを決めた。
県によると、この日は雫石町の40代の男性会社員の陽性が判明。8月3日にせきなどの症状が出て、5日にPCR検査を受けていた。7月25日に出張先の九州で感染したとみられるという。これにより、県内の感染者は5人となった。