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レバノンへ支援駆け引きも 欧米・イラン、大規模爆発で

(更新)

【イスタンブール=木寺もも子】首都の大規模爆発で深刻な被害が生じたレバノンへの支援外交が本格化してきた。これまで20を超える国や地域が援助を表明した。レバノンでは多くの宗教・政治勢力が混在する中で親イラン勢力が強い力を持つ。支援を通じた欧米側とイランとの駆け引きが激しくなりそうだ。

ベイルート県知事は5日、爆発の被害はベイルートの約半分に及び、経済損失は100億~150億ドル(約1兆~1兆6000億円)に上る可能性があるとの見通しを示した。政府によると、死者は少なくとも135人に上り、なお多数ががれきの下で生き埋めになっている。

6日、ベイルートの空港に到着し、レバノンのアウン大統領(前列右)と話すマクロン仏大統領=ロイター

レバノンは食料やエネルギーなどを輸入に頼っている。同県知事によると爆発で小麦の倉庫も失われ、備蓄は1カ月分しか残っていない。

旧宗主国フランスのマクロン大統領は6日、ベイルートを訪問し、アウン大統領らが迎えた。マクロン氏は「仏や欧州、国際社会のさらなる支援をとりまとめたい」と自国の存在感を誇示した。ポンペオ米国務長官は5日、ディアブ首相との電話会談で支援の意思を表明した。

レバノンにはキリスト教やイスラム教など18の宗派が混在し、それぞれが外国の政府や組織と結びついて対立する構造がある。米国が「テロ組織」と認定する親イランのシーア派武装組織ヒズボラはレバノンの議会に議席を持ち、政権に強い影響力を行使する。欧米には支援を通じ、ヒズボラの影響力をそぐ思惑も透ける。

ヒズボラと敵対し、レバノンと国交のない隣国イスラエルも、国連などを介した支援を申し出ている。イスラエル有力紙ハーレツは6日、レバノン国民の批判がヒズボラに向かう可能性を指摘し、爆発が「イスラエルとヒズボラの対立関係にも影響する可能性がある」と指摘した。

イランは最高指導者のハメネイ師がツイッターでレバノン国民に「悲劇の中の忍耐がレバノンの黄金の歴史でたたえられるだろう」と呼びかけた。政府系の「イラン学生通信(ISNA)」は「米仏やサウジアラビアは(爆発を)レバノン内での政治力拡大に利用しようとするだろう」との外交専門家の話を伝え、警戒感を示した。

生存者の捜索を続けるレバノン軍の兵士たち(5日、ベイルート)=AP
崩壊したベイルートの住居(5日)=AP

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