西鉄4~6月期、赤字過去最大 倉富社長「存続の瀬戸際」

西日本鉄道が6日発表した2020年4~6月期の連結決算は、最終損益が74億円の赤字(前年同期は21億円の黒字)だった。03年に四半期単位の決算を公表し始めてから、四半期として過去最大の赤字だった。新型コロナウイルスの影響で本業の運輸業が初の営業赤字に転落。倉富純男社長は「存続できるかの瀬戸際にある」と強い警戒感を示した。
同社が四半期決算の最終損益で赤字を計上するのは、1~3月期に続いて2四半期連続。運輸の収入減やホテルの宿泊減など、コロナによる利益の減少額は営業利益ベースで127億円と、1~3月期の35億円から大幅に増えた。
連結売上高は24%減の703億円で、営業損益は76億円の赤字(前年同期は41億円の黒字)となった。営業損益で赤字となるのは、四半期の公表開始以来初めて。
運輸業は緊急事態宣言の発令以降、主力のバス事業で利用者が4割減少。同事業の営業損益は前年同期の6億円の黒字から38億円の赤字に転落した。レジャー・サービス業も施設の休館に加え、ホテルの稼働率が1割台まで低下したことで、39億円の赤字(前年同期は5億円の黒字)になった。持分法適用会社である福岡国際空港(福岡市)が大幅な旅客減となるなどしたことで、14億円の投資損失を計上したことも響いた。
21年3月期の通期の業績予想の発表は、引き続き見送った。倉富社長は「コロナ後に生き残れる会社となるために、聖域無き構造改革を進める」と表明。中期的に採算が見込みにくい事業などの整理に着手するとし、具体的な計画を年内をメドにまとめるとした。