吉野家缶詰は「いつもの味」 普段でも食べたい防災食

防災食の準備に欠かせないのが、水もコンロもない状態で食べられる食品だ。吉野家の味をいつでも食べられる缶詰など、普段から食べたくなるおいしい防災食を紹介。「ローリングストック」の考え方で備蓄するのがいい。
缶詰で牛丼を再現
万が一の事態に備え、水なしで食べられる食品をレパートリーに加えておくと、より安心だ。吉野家の「缶飯 牛丼」は牛丼の具だけでなく米まで入り、缶詰で牛丼を再現している。避難生活中も"いつもの味"を食べることのできる貴重な存在だ。開封してかけるだけでいいカレー「常備用カレー職人」は、そのままでも十分おいしく食べられるが、温めれば通常のレトルトカレーとほとんど変わらないため日常的にも使いやすい。

誰でも安全に食べられる食品を
同居する家族に高齢者やアレルギーを持つ人がいる場合は、誰でも安全に食べられるユニバーサルの視点も非常食選びで必要になる。かみやすい、減塩、アレルゲン不使用など、その人の状況に応じたメニューを準備しておきたい。「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」といった硬さの主食になるお粥や、アレルギー物質28品目を使わずに作った「アルファ米 ごはんシリーズ」など、バリエーションも増えてきている。


野菜不足をどう克服するか
ライフラインが止まると、冷蔵保存が必要な生野菜を食べる機会もおのずと減る。カゴメの「野菜スープ」と「野菜一日これ一本 長期保存用」は、食物繊維やビタミンなどの栄養素を摂ることができ、野菜不足の生活で重宝する。野菜ジュースはアルファ米を戻すのにも使えて用途の幅が広い。


エネルギーチャージと水分補給を兼ねる
避難生活において、食事は数少ない楽しみな時間の一つだ。甘いものでほっとする時間を設けるのも避難生活を乗り切る上で役立つ。「実際被災した人に聞くと、どの支援物資もありがたかったが、実は甘いものを食べたかったという声があった」(防災アドバイザーの岡本裕紀子氏)。ワンテーブルの「LIFE STOCK」はゼリー飲料で手軽にカロリーを補給でき、食欲のないときや、固形物を食べるのが難しい高齢者の間でも重宝されているという。

優しい甘さが避難生活時の癒やしになる
井村屋の「えいようかん」も、優しい甘さで人気の逸品だ。ミニサイズのようかんで、普段からおやつとしておいしく食べられる。

いくら普段の食事に取り入れるからといっても、その保管場所には困ってしまいそうだが、「ローリングストックは普段使いの食品を災害時にも活用する方法のため、防災食の保管スペースを新たに確保する必要はない」(岡本氏)という。備蓄食をまとめて一カ所に置いておいた場合、建物の倒壊やドアの変形などによってその部屋に入れなくなる事態も想定されるからだ。ちょっとした隙間に少量ずつ、分散して置いておくのが賢いやり方になる。
調理器具なしで温かい食事がいつでも可能に

封を切るだけで本格おでん

冷たいままでもおいしく食べられるカレー

(日経トレンディ 山口佳奈、写真 中本浩平)
[日経トレンディ2020年8月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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