北関東3県の人口減、栃木と群馬で加速
総務省が5日発表した2020年1月1日時点の人口動態調査で、北関東3県の人口はいずれも前年から減少した。減少率は栃木、群馬両県で拡大し、茨城県では小幅にとどまった。技能実習生ら外国人は増えているが、3県の人口減少に歯止めがかかっていない。

住民基本台帳に基づき、人口動態を集計した。

栃木は前年比0.54%減の196万5516人、群馬は0.59%減の196万9439人、茨城は0.50%減の292万1436人だった。減少率は栃木が0.06ポイント、群馬は0.12ポイント拡大した。一方、茨城は0.01ポイントと小幅ながら縮小した。
市町村別では、前年よりも人口が増えた自治体もある。栃木県では小山市や下野市など3市町、群馬県では吉岡町と大泉町、茨城県ではつくば市や守谷市などの6市町村で人口が増加した。
人口減の背景にあるのは、圧倒的多数を占めている日本人住民の減少だ。栃木は前年比0.66%、群馬は0.79%、茨城は0.68%減少した。
一方、外国人は3県いずれも増加した。栃木で4万2835人と5.35%、群馬では6万36人と6.08%、茨城では6万9729人と7.27%それぞれ増えた。群馬経済研究所(前橋市)の丸岡美智世主任研究員は「製造業や農業分野の担い手不足が深刻になり、技能実習生の受け入れが加速してきている」と分析する。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、今春からベトナムや中国など外国人技能実習生が来日できなくなるケースも相次いだ。今回の調査は1月1日時点の数字で、新型コロナの影響を受けていない。
ただ、国境をまたぐ移動には慎重な国や地域が多く、今後は外国人の増加傾向が頭打ちになる可能性もある。