夏ボーナス2.17%減 経団連最終集計、コロナ影響

2020/8/5 18:48
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経団連は5日、大手企業の2020年夏賞与(ボーナス)の最終集計結果を発表した。回答した153社の妥結額は加重平均で90万1147円と19年夏から2.17%減った。2年連続で前年を下回った。新型コロナウイルス禍による収益の悪化が響いた。所得の減少や消費者心理の冷え込みで景気の持ち直しの遅れにつながる恐れがある。

額は3年ぶりの低水準となった。業種別で最も下落幅が大きかった鉄鋼は前年比24.8%減の57万1027円となった。日本製鉄は20年3月期に瀬戸内製鉄所呉地区(広島県呉市)の閉鎖などに伴う減損損失で4315億円の最終赤字を計上した。JFEスチールも赤字に転落した。各社のボーナスは業績に連動して縮んだ。

素材産業は7.57%増の紙・パルプを除いて軒並み下落した。化学は6.12%減、非鉄・金属は3.51%減だった。米中貿易戦争が尾を引き、さらにコロナ禍で最終製品の売れ行きが鈍り、素材生産も停滞した。自動車はほぼ横ばい(0.01%増)の97万8098円だった。

非製造業は2.79%減で製造業の1.78%減より落ち込みが大きい。観光関連は特に厳しく、鉄道は9.55%減の82万5747円となった。遠距離・近距離ともに旅客需要が蒸発したJR東日本は17.4%減の81万2700円だった。

経団連の集計は外食を含んでいない。ある大手居酒屋チェーンは夏のボーナスを前年比3割減とした。業績連動で賞与を決めており、5年ぶりに前年の水準を割った。政府の緊急事態宣言を受けて直営の全店で臨時休業するなどして売り上げが激減した。

冬のボーナスはさらに縮小するとの声も出ている。大手企業の約6割は春の時点で前年の業績に基づいて夏の賞与額を決める。コロナの流行が長引いている影響を織り込み切れていない。

既にJTBは社員約1万3千人に冬のボーナスを支給しない方針を決めた。1989年以降で初の事態となる。日本航空(JAL)の赤坂祐二社長は7月、冬のボーナスについて「未定だが、非常に厳しい」との見方を示した。一般社員向けの夏のボーナスは前年比50%減。現在も国際線の9割を減便しており、キャッシュの流出が続く。

一般に日本企業は業績が低迷しても容易には解雇に動かず、賞与を中心に固定費を減らして対応する傾向がある。安倍政権で年3%程度の引き上げが続いてきた最低賃金も20年度は、労使の代表が参加する中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会で事実上の据え置きが決まった。

賃金水準が下がると家計の心理は悪化する。コロナ対策の現金給付も消費に回らず、景気の押し上げ効果が弱まる懸念もある。

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