お取り寄せできる土産菓子 読者1142人が選んだ10選

コロナ禍で旅行や帰省などに出かけるのも難しい。全国の定番土産を味わい、旅気分を楽しむのはいかが。お取り寄せできる土産菓子を読者1142人が選んだ。
1位 萩の月
風景写し取った和洋折衷の元祖
仙台市の菓子メーカー、菓匠三全が1979年に発売。萩の咲き乱れる宮城野の空に浮かぶ名月をかたどり、カスタードクリームをカステラ生地で包み込んだまんじゅう型菓子の元祖として知られる。「30年前に出合い買い続けている」(50代男性)など、長年のファンを自称する声が多かった。「現地で食べるより自宅でゆっくりと食べることに意味がある」(50代女性)、「食欲がないときでも食べたくなる」(60代女性)など女性の人気も高い。「冷やしたり、凍らせたりして夏に食べたくなる定番土産」(ご当地グルメ研究会代表の松本学さん)
菓匠三全(1)1箱6個入り 1200円(2)発送日含め10日間(3)(オンラインショップは期間限定)https://www.shop.sanzen.co.jp/shop/c/c3000/
2位 白い恋人
チョコとラングドシャ 絶妙の調和

札幌市の菓子メーカー、石屋製菓が1976年冬から製造・販売。ホワイトチョコレートをサクサクのラングドシャで挟み込んだ。「北海道といえばこれ!」(40代女性)、「お土産の象徴」(40代男性)など、商品のイメージと北海道の雰囲気の調和を評価する声が大半を占めた。チョコを挟むラングドシャはサクサクとした食感と舌触りが特徴。「クッキーなどとは違うラングドシャのおいしさを知った」(40代女性)との声も。パッケージのデザインは秀峰「利尻山」と雪の結晶。「名前もパッケージも大好き」(50代女性)と女性の人気も高い。白い恋人ホワイトチョコレートプリンなど派生商品も。
石屋製菓(1)1箱18枚入り 1198円(2)180日(3)https://www.ishiya-shop.jp/
3位 うなぎパイミニアニバーサリー
「夜のお菓子」 運びやすいサイズに

ウナギの産地でもある浜松市の名産品。製造・販売は地元菓子メーカーの春華堂。ウナギのエキスをパイ生地に練り込み、かば焼き風の見た目に焼き上げた。1961年発売、「夜のお菓子」のキャッチコピーで知名度が一気に上がった。うなぎパイ4種のなかで、通販で買えるのは通常より小ぶりで運搬時に崩れにくい「うなぎパイミニ」。「昔からの定番土産」(50代女性)、「苦手な人はいない」(50代男性)など品質とブランドの安定感も強みだ。「魚臭さをイメージしたが、全くの別物」(80代男性)とネーミングとのギャップも魅力となっている。「夏はアイスクリームを添えて食べるとおいしい」(松本さん)
春華堂(1)1箱3枚入り 324円(2)40日(3)https://ec.shunkado.co.jp/
4位 博多通りもん
バター風味 独特の白餡

1929年創業の菓子店が「まんじゅうを食べたい」との顧客の要望にこたえて開発、93年に発売し福岡・博多を象徴する商品になった。白餡(あん)に練乳、バターなどを練り込んだ和洋折衷タイプのまんじゅう。「バター風味の餡が忘れられない逸品」(40代男性)、「同僚からお土産でもらい、おいしかったので旅行に行って買った」(40代女性)など人気が高い。「東京本社へ出張するときにお土産として持参すると間違いなく喜ばれる」(50代男性)との声も。
明月堂(1)1箱6個入り 730円(2)約3~4週間(3)https://www.meigetsudo.net/
5位 笹だんご
笹とヨモギ 香り高く

餡(あん)の入ったヨモギ団子を笹の葉でくるみ、イグサなどの紐(ひも)で結んだ。隣県にも似た菓子があるが、新潟県を代表する郷土食だ。「笹とヨモギの香りがたまらない」(50代女性)。ツーリズムワイズラボ代表の山田祐子さんは「手作りを感じさせる王道の形」と話す。
笹川餅屋(写真=左)(1)笹団子 5個810円(粒餡、こし餡それぞれ)(2)製造日含め3日間(消費期限)(3)http://sasagawamochiya.sakura.ne.jp/
田中屋本店(同=右)(1)笹だんご 1箱5個入り 864円(粒餡、こし餡それぞれ)(2)製造日含め4日間(同)(3)https://www.dangoya.com/
6位 桔梗信玄餅
混ぜて味わう楽しさ

きな粉がまぶされた、求肥(ぎゅうひ)と呼ばれる餅に黒蜜をかけて食べる山梨県を代表する銘菓。きな粉に埋まった餅が入った器を風呂敷を模した包装でつつんでいる。「子供のころからの憧れ。ぜいたく感を味わえる」(50代男性)、「きな粉をこぼさぬよう餅と蜜を混ぜ合わせるのが楽しみ」(40代女性)など、味わう工程を楽しむ人も多い。公式サイトでは、餅ときな粉を風呂敷状の包装に空け、黒蜜をかけた後に包み直し混ぜ合わせる食べ方なども紹介されている。
桔梗屋(1)6個布入 1095円(2)12日程度(3)http://www.kikyoushingenmochi.com/
7位 かもめの玉子
まるで卵 見た目も驚き

餡(あん)をカステラ生地で包んで焼き上げ、全体をホワイトチョコレートでコーティングした菓子。三陸海岸を舞うカモメの卵をイメージした。「味はもちろん、見た目も驚き」(40代男性)、「本当の卵かと思った」などビジュアル面での評価が高い。半分に切った断面もゆで卵のようだ。「ホワイトチョコ、生地、餡の量、バランスが絶妙」(50代男性)と口溶けの良さを指摘する声も多かった。小さな子供でも食べやすい一口サイズの「かもめの玉子ミニ」もある。
さいとう製菓(1)1箱9個入り 1215円(2)製造日から30日(3)https://www.saitoseika.com/
8位 焼きたてチーズケーキ
主役チーズなど材料厳選

デンマーク直輸入のクリームチーズを使用するほか、卵や牛乳も厳選、鮮度にもこだわる。底には自家製シロップに漬け込んだレーズンを並べ、味にアクセントを持たせてコクと甘みを引き出した。焼き印で描かれた「おじさん」のイラストも特徴だ。直径18センチメートルと家族全員が十分楽しめるサイズで、値段もお手ごろ。「コスパ最高!」(50代女性)、「おいしくて、ボリュームがあり安い」(40代男性)との声が多い。
リクロー(1)6号サイズ(直径18センチメートル) 725円(2)発送日含む3日間(消費期限、配送は一部地域を除く)(3)https://rikuro.cake-cake.net
9位 生八つ橋
生地・餡ともバラエティー

「修学旅行にタイムスリップ」(40代女性)との声が多く、京都土産の定番品だ。正方形の生地で餡(あん)をはさみ二つ折りにしたものが一般的。生地はニッキのほか、抹茶やゴマを混ぜたものがあり、餡もチョコレートなど多彩だ。
聖護院八ッ橋総本店(写真=左)(1)聖 1箱10個入り 594円(2)12日間(3)https://shop.shogoin.co.jp/
本家西尾八ッ橋(同=中)(1)あんなま 1箱(抹茶5個・ニッキ5個)600円(2)1週間(3)https://www.8284.co.jp/
井筒八ッ橋本舗(同=右)(1)夕子 ニッキ・抹茶詰め合わせ1箱10個入り 594円(2) 15日(3)https://www.yatsuhashi.jp/
10位 栗かの子
素材のうまみ ぎゅっと

栗の名産地である長野県小布施町の郷土菓子。小布施地区を中心に複数の菓子メーカーが製造する栗と砂糖だけで作ったきんとん。餡(あん)も栗を使う。「栗そのものの甘さと食感がたまらない」(60代男性)など素材のうまみが評価された。「楽しみ方も様々。他のデザートに添えても、冷やして食べてもおいしい」(通販コンサルタントの村山らむねさん)
竹風堂(写真=左)(1)栗かの子 1缶 1404円(2)約1年(3)https://shopping.chikufudo.com/
桜井甘精堂(同=右)(1)純栗かの子 1缶 1296円(2)1年(常温保存、未開封時)(3)https://www.kanseido-shop.com/
手ごろな価格・量 ヒットの新条件に
ふと食べたくなるご当地土産。その理由は大きく2つ、過去の記憶と興味(好奇心)で、「萩(はぎ)の月」「生八つ橋」が代表例だ。「旅の思い出や懐かしさが強く結びつく」(松本さん)。「焼きたてチーズケーキ」「笹(ささ)だんご」はテレビなどで話題になり注目を集めた。
今回のランキングでは、若い世代に人気の高い和洋折衷菓子だけでなく、餡(あん)や黒蜜などを生かした和菓子もランクインした。旅行作家で土産銘菓研究家の中尾隆之さんは「信玄餅や栗かの子が若い世代には新しい"スイーツ"として受け入れられている」と分析する。
ヒットするご当地土産に共通するのは「地域」「季節」「販売数」に限りがあること。苦労はしたくないが、安易に手に入る商品には関心がわかないようだ。最近はこの3条件に価格と量が加わり、「核家族とお一人様需要で、価格は1000円程度のものが売れている」(中尾さん)。
コロナ禍で旅行や出張が難しくなり、影響は地方の土産メーカーにも及ぶ。「物産展」は百貨店の人気企画だが、「『初顔』の名店・メーカーが出展している」(バイヤー)。定番商品に隠れたおいしい菓子も多い。中尾さんは「全国の新しいご当地土産を発掘するチャンス」と期待する。
ランキングの見方
調査の方法
今週の専門家
(佐々木聖が担当しました)
[NIKKEIプラス1 2020年8月8日付]
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