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ドゥラメンテとモーリス、新種牡馬の目玉候補に明暗

2020/8/8 3:00
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新種牡馬ドゥラメンテの産駒は2日までに6勝と好調だ(6月7日、阪神での新馬戦で同産駒初勝利を挙げたアスコルターレ)=JRA提供

新種牡馬ドゥラメンテの産駒は2日までに6勝と好調だ(6月7日、阪神での新馬戦で同産駒初勝利を挙げたアスコルターレ)=JRA提供

6月に2020年の2歳戦が始まって2カ月がたった。2歳世代が初年度産駒となる新種牡馬の中から、次世代のトップ種牡馬候補が現れるかどうかが今年の2歳戦の注目点。ここ10年の国内競馬界をけん引した種牡馬ディープインパクト、キングカメハメハが19年夏に相次いで死に、種牡馬の勢力争いの行方が混沌としてきているためだ。

特に期待を集めるのは、現役時代の15年に皐月賞、日本ダービー(ともにG1)のクラシック2冠を制したドゥラメンテ(8歳)と、国内外でG1を6勝したモーリス(9歳)の2頭。ただ、現段階では両馬の明暗は分かれている。

20年の新種牡馬は30頭。産駒数が最も多いのは189頭のドゥラメンテで、176頭のモーリスがこれに続く。

ドゥラメンテは父がキングカメハメハ。母アドマイヤグルーヴ、祖母エアグルーヴ、その母ダイナカールは3代続けてG1級を勝っている。母系にはサンデーサイレンスやトニービン、ノーザンテースト、ガーサントという日本の歴代トップ種牡馬の血が重ねられており、国内でも最高レベルの血統馬だ。

一方のモーリスは父が08年のジャパンカップ(G1)を勝ったスクリーンヒーロー。母系には欧州のトップ種牡馬サドラーズウェルズなど、持久力型の血脈が入っている。それでいながらモーリス自身はG1での6勝すべてが芝1600~2000メートルとスピードがあった。

先に白星を収めたのはドゥラメンテ産駒だった。6月7日の阪神での新馬戦(芝1400メートル)でアスコルターレ(牡、栗東・西村真幸厩舎)が1着。先手を取って抜群の手応えで最後の直線に向くと、そのまま押し切った。これが20年の新種牡馬の産駒の初勝利でもあった。2着馬との着差は半馬身だったが、騎手の松山弘平は「着差以上に余裕があった。子供っぽいところもあるので、成長すればもっと走れる」と期待を語った。

ドゥラメンテ産駒はその後、1カ月以上勝ち星から遠ざかったが、7月に入るとエンジンがかかり、同月中に4勝を挙げた。8月1日にも1勝を加えて6勝。中央の新種牡馬ランキング(2日現在、産駒の獲得賞金の順位)で首位に立つ。

■成長力のある血統、2歳で早くも結果

楽しみな馬も出てきた。7月11日に阪神芝1600メートルの新馬戦を勝ったダノンシュネラ(牝、栗東・池江泰寿厩舎)は苦手とみられた重馬場で結果を出した。「道悪で(前に)進んでいかなかったが、能力だけで押し切ったのは大したもの」と池江調教師。良馬場でさらに能力を発揮しそうだ。

同26日の新潟芝1800メートルの新馬戦で勝ったドゥラヴェルデ(牡、美浦・木村哲也厩舎)はスタートで出遅れ、最後の直線で左に行きたがる面をみせるなど、若さの残るレースぶりでありながら、2着馬に3馬身差をつける快勝だった。

ドゥラメンテの母系は成長力のある血統で、古馬になって本格化する傾向が強い。3歳クラシックにかけて力を付けていく産駒も多そう。2歳戦開始から間もない現段階で結果を出していることを考えると、今後の産駒の活躍に期待ができそうだ。

一方のモーリスは産駒デビューから1カ月以上がたった7月11日に、カイザーノヴァ(牡、栗東・矢作芳人厩舎)がようやく初勝利を挙げた。後方から競馬を進め、最後の直線で鋭い加速をみせて差し切った。

ただ、その後、モーリス産駒の勝利は無い。同産駒のレースぶりをみると、全般的に決め手が足りない印象で、勝ちきれない馬が多い。実際、ここまで2着が6回、3着が5回。詰めの甘さが数字にも表れている。新種牡馬ランキングでも3位にとどまる。

とはいえ、モーリスも成長力のある血統。自身も本格化したのは4歳と古馬になってからだった。産駒の能力が全開となるのはこれからとみられる。長い目でみる必要があるだろう。

■リオンディーズ、不利な状況から健闘

ほかの種牡馬ではリオンディーズ(7歳)の健闘が目立つ。ここまで産駒は4勝。新種牡馬のなかではドゥラメンテに次いで多い勝ち星を挙げる。

ドゥラメンテとモーリスが国内最大手の社台グループの種馬場、社台スタリオンステーション(北海道安平町)に所属する一方、リオンディーズは日高地区のブリーダーズ・スタリオン・ステーション(北海道日高町)でけい養されている。ここまでデビューした19頭の産駒のうち18頭が日高の牧場の生産馬だ。

モーリスはデビューした24頭中10頭が社台系のノーザンファーム(NF、北海道安平町)生産。ドゥラメンテも26頭中6頭がNF産で、ここまで挙げた6勝中3勝はNF産馬でのものだった。NFの繁殖牝馬の質は国内最高水準。優秀な牝馬を集めやすい社台SSで種牡馬生活を送る2頭と比べると、リオンディーズは不利な状況からスタートしたといえる。それだけに産駒の健闘ぶりが光る。

リオンディーズは父キングカメハメハ、母は05年のオークス(G1)を勝ったシーザリオ。シーザリオはほかにも14年のジャパンCを勝ったエピファネイア(10歳、父シンボリクリスエス)などの活躍馬を出しており、リオンディーズもドゥラメンテに負けず劣らずの血統馬である。

そのエピファネイアは種牡馬として19年に産駒をデビューさせ、3歳を迎えた初年度産駒から桜花賞(G1)、オークスの牝馬2冠を無敗で制したデアリングタクト(栗東・杉山晴紀厩舎)を出した。同馬も日高の牧場の生産馬である。

リオンディーズは故障により3歳で引退したため、G1では15年の朝日杯フューチュリティステークスの1勝に終わった。だが、当時の勝ち方や血統からも底力はありそう。兄に続き、初年度から活躍馬を出す可能性もある。

(関根慶太郎)

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