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メジャー開幕、松山逆襲へ 全米プロゴルフ

2020/8/6 18:11
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新型コロナウイルスの世界的流行によるゴルフの大会中止や延期で、2020年最初の海外メジャーとなる全米プロ選手権(優勝賞金198万ドル=約2億円)が6日(日本時間同日深夜)、サンフランシスコのTPCハーディングパークで開幕する。無観客開催。2連覇中のブルックス・ケプカが、マッチプレー時代の1924~27年を制したウォルター・ヘーゲン(ともに米国)に次ぐ3連覇の偉業に挑む。日本勢はともに28歳、松山英樹、石川遼の2人が5年ぶりにメジャーの舞台でそろい踏みを果たす。

「うーん、すごいな」。あっけにとられるしかなかった。コロナ禍のツアー中断期間で体重を増やし、ボディービルダーのような体に変身したB・デシャンボーが今季初優勝を飾った7月のロケットモーゲージ・クラシック。予選の2日間を同組で回った松山は、350~370ヤード先のフェアウエーをとらえていくデシャンボーの豪打を目の当たりにした。

松山が主戦場とする米男子、PGAツアーとはそんな怪物がひしめく場所だ。約3カ月の休みがあれば、群雄割拠の勢力図など一変しかねない。昨年10月のZOZOチャンピオンシップ(千葉県アコーディア習志野CC)の2位など2019-20年シーズンで5回(日本ツアーのダンロップフェニックス8位を含む)の1桁順位をマークしていた勢いはコロナ中断で水を差されたか。

14年に米ツアー初勝利を挙げたメモリアルトーナメント(ミュアフィールドビレッジGC=パー72)は75、79とまさかの大たたきで、ツアー再開後4戦目にして早くも2度目の予選落ちを喫する憂き目に遭った。

米ツアー屈指のテクニックを誇る松山=USA TODAY

米ツアー屈指のテクニックを誇る松山=USA TODAY

当初の5月から8月に延期され、男女を通じて今年最初のメジャー大会として行われることになった全米プロ。8年連続8度目の出場となる松山にとって過去に一度も予選落ちがないメジャーであり、松山自身、メジャーの勲章に最も近づいた17年大会の雪辱をかけた大一番でもある。

3年前の最終日、10番を終えた時点で単独首位にいながら11番からの3連続ボギーで後退。同組で回ったJ・トーマスにメジャー初タイトルを譲る5位に終わり、人目をはばからず悔し涙にくれた。「ここまで来た人はいっぱいいる。ここから勝てる人、勝てない人の差が出てくる。勝てる人になりたい」。この試合からずっと優勝から遠ざかることになる松山の歩み。痛恨の敗戦がずしりと重くのしかかる。

米ツアー本格参戦の2014年からシーズン最終戦のツアー選手権に継続して出場、屈指のテクニックで世界のトップ30人に居続ける実力に疑いの余地はない。それでも、世界ランクは17年夏に到達した最高位(2位)から現在は20位台に後退した。今春に米ツアー初優勝を果たした韓国の22歳、任成宰にアジア勢トップの座を譲ることもある。日米通算13勝の松山にいま必要なもの、それはまず勝つことだ。

全米プロの会場は、15年の世界選手権シリーズ(WGC)キャデラック・マッチプレーで経験済み。予選リーグを3戦全勝で勝ち上がり、決勝トーナメント初戦で優勝したR・マキロイと激突、完敗を喫したほろ苦い思い出も。闘志をかき立てるにはまたとない舞台といえる。

■デシャンポー充実、ケプカ3連覇挑む

ストロークプレーの競技となった1958年以降では初となる3連覇に挑むB・ケプカ(米国)だが、昨年12月のプレジデンツカップを出場辞退に追い込まれた左膝の不調が長引いている。前週のWGCフェデックス・セントジュード招待で今季自己最高の2位も左脚をかばいながらのプレーを余儀なくされた。

昨年、全米プロ2連覇を果たしたケプカ=AP

昨年、全米プロ2連覇を果たしたケプカ=AP

全米プロ4勝を含むメジャー通算15勝のT・ウッズは今年ここまで3戦しか出場していない。2月のジェネシス招待は決勝進出者で最下位の68位。尊敬するJ・ニクラウス(ともに米国)がホストを務めるメモリアルトーナメントで5カ月ぶりに復帰を果たすも、予選をぎりぎりで通過しての40位だった。

それでも「ポジティブな1週間」とウッズは前向きに振り返る。無観客で静まりかえった「これまでとまったく違う世界」となったツアーの新常態に慣れるとともに、日替わりで良くも悪くもなる腰の状態と相談しながら手探りのプレーが続く。

コロナ中断から再開後の米ツアーの話題をさらっているのがB・デシャンボー(米国)。3、8、6位と1桁順位をマークしたあと、再開後4戦目で米通算6勝目を挙げた。勝った試合でのドライバー平均飛距離が350ヤード超と、肉体改造とプレースタイルの激変ぶりが注目の的だ。

前週を逆転勝ち、今季3勝目を挙げて世界ランク1位に返り咲きを果たしたJ・トーマス(米国)は、17年以来の大会2勝目とツアー2週連続優勝がかかる。前世界1位のJ・ラーム(スペイン)は再開後6戦目のメモリアルを優勝、元世界1位のD・ジョンソン(米国)は再開後3戦目を制し、連続勝利を13季連続と伸ばした。昨年プロ転向して今年7月に早くもツアー2勝目を挙げた23歳のC・モリカワ(米国)、22歳のV・ホブラン(ノルウェー)ら台頭著しい20代前半の若手の勢いも侮れない。

■6年ぶりの石川、スイング手応え

石川が海外メジャーに出場するのは、2015年全米オープン以来で、主催者推薦で出る全米プロは6年ぶり7回目となる。松山と違って、サンフランシスコ近郊の会場には輝かしい思い出が詰まっている。プロ2年目の09年、世界選抜チームの一員として18歳でプレジデンツカップに初出場した舞台。同大会で石川は3勝2敗とはつらつとプレー、世界にアピールした。「11年ぶりのコース。攻め方も変わるだろうけど、今の自分のスタイルでどこまでできるか、純粋に知りたい」

13年に米ツアーに本格参戦したものの、17年秋に撤退した。帰国後も塗炭の苦しみを味わいながら昨季は日本プロ、日本シリーズJT杯と国内メジャー2勝を含む3勝を挙げ、劇的な復活を果たした。

5年ぶりのメジャーに挑む石川(ゴルフパートナーエキシビション最終日)=JGTO/JGTOimages

5年ぶりのメジャーに挑む石川(ゴルフパートナーエキシビション最終日)=JGTO/JGTOimages

この2年継続して取り組んでいるのが、スイングの再現性を高めること。コロナ禍で長きにわたったオフの間も、ヘッドスピードを上げ、効率よく飛ばすために素振りなど地道な練習を続けている。「スイングの負荷に体が耐えられる。去年より今のほうが良くなっている実感がある」

2、3月に米ツアーで2戦したが68位、予選落ちと結果を残せなかった。ただ、2、3年前のように、ティーショットを曲げる怖さはほとんどなくなった。そのうえで、グリーンが硬く、セッティングがタフな米ツアーのコース攻略へ、バッグから3番アイアンを抜き、47度(140ヤード)、52度(120~125ヤード)、56度(110~112ヤード)、60度(98ヤード)とウエッジを4本入れて臨む。

もともとコントロールショットは苦手ではないが「フルスイングで打つほうがブレが少ない。100~140ヤードのショットの精度を高くして、強みにしていけるように。これからの自分にとって勝負になる」。パー5でたとえティーショットを曲げても、第3打でピンに絡めればいい。

「60%くらいの確率でバーディーをとれれば、焦りにつながらない」。4本のウエッジの距離感を磨き、ショートゲームを強化して米ツアー復帰につなげたいと考えている。

世界ランクは松山、今平に次ぎ日本勢3番手の98位(7月末現在)。来夏に延期された東京五輪ゴルフの日本代表になるチャンスは残されている。ただ、先のことは考えず「目の前のことに集中したい」。海外メジャーでは11年マスターズの20位がベスト。今回は予選突破が最低目標になるだろう。

米国でプレーするための現地での2週間の自主隔離に備え、石川は7月18日に渡米した。全米プロ後も、メジャー次戦の全米オープン(9月17日開幕、ニューヨーク州)に備え、米国に居残る予定だ。5年ぶりのメジャー挑戦で、壁を乗り越え成長した姿を見せたい。

(串田孝義、吉良幸雄)

※動画は日本国内でしかご視聴になれません。

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