ソニー21年3月期、営業益27%減へ 問われる複合経営

2020/8/4 20:11
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ソニーは4日、2021年3月期の連結営業利益(米国基準)が27%減の6200億円になりそうだと発表した。エレクトロニクス事業や画像センサーに新型コロナウイルスの逆風が吹く一方で、ゲーム事業は巣ごもり需要で好調。複数事業を抱えて外部環境の変化に耐性を持つ複合経営の真価が問われる局面だ。

ソニーの十時裕樹副社長兼最高財務責任者(CFO)

「生き残れるのは変化に対応するものだ」。4日の電話会見の冒頭、十時裕樹副社長はこう話した。5月には21年3月期の営業利益が少なくとも3割減になるとの見通しを示していた。4~6月期の売上高は前年同期比2%増の1兆9689億円、営業利益は1%減の2283億円だった。

ソニーは複数の事業でコロナの影響が鮮明に出ている。最も影響が大きいのは画像センサー事業だ。21年3月期の画像センサーの営業利益は1300億円と前期比45%減の見通し。十時氏は「一時的だが、来年度にかけて中価格帯から低価格帯の製品が売れるだろう」と述べた。ソニーが強みとする高価格帯の製品が苦戦するとの見方だ。中国で在庫の調整をしている影響も出ている。

画像センサーには米中ハイテク摩擦も影響する。中国の華為技術(ファーウェイ)は米商務省が発表した規制強化の影響で先端半導体の調達が難しくなる見通し。ソニーは同社のスマートフォンに画像センサーを供給しており、取引が縮小する懸念が強まっている。

テレビやデジタルカメラなどエレキ事業の4~6月期は91億円の営業赤字だった。それでも通期では営業黒字を見込み、前期比31%減の600億円とみている。デジカメは外出自粛で市場全体が縮小しているが、「テレビは思った以上に回復力が高かった」。サプライチェーンの回復で持ち直すと同社はみている。

映画は巣ごもり需要で配信サービスが伸びている一方で、劇場公開の遅れが収益の重荷となっている。十時氏は「劇場公開の重要性は変わらないが、最適な販路を見極めていく」と述べ、配信などの強化方針を示唆した。

継続課金(リカーリング)モデルを確立したゲーム事業は好調だ。4~6月期の営業利益は1240億円と68%の大幅増だった。オンライン対戦などができるプレイステーションプラスの会員が4500万人に到達したほか、新作ゲームソフトの販売も好調だった。

ソニーは年末商戦で次世代ゲーム機「プレイステーション(PS)5」を発売し、ゲーム事業は成長のけん引役を担う。今後はゲーム以外の苦戦する事業でも「新常態」に合わせたモデルを構築できるかが問われる。

(清水孝輔)

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