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JR九州、4~6月期で初の赤字 鉄道の悪化補えず

JR九州の2020年4~6月期の連結決算は、第1四半期としては初の最終赤字に陥った。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で、本業の鉄道だけでなく流通や不動産など幅広い事業で影響を受けた。7月以降も影響は続いており、豪雨による鉄道被災も重い経営課題となっている。既に青柳俊彦社長は中期経営計画の練り直しを明言しており、同社の経営環境は厳しさを増している。

JR九州は新型コロナの影響で、一部のホテルを一時休業した(4月、福岡市)

売上高は前年同期に比べ38%少ない618億円で、最終損益は51億円の赤字だった。大幅な減収減益の最大の要因は、コロナによる鉄道部門の不振だ。鉄道を含む「運輸サービス」部門は139億円の営業赤字で、99億円の黒字だった前年同期から一転、大幅な悪化となった。

同社が頼みとしてきた、鉄道以外の事業も不振だった。鉄道にならぶ主力事業の「不動産・ホテル」は、前年同期の50億円の営業黒字から3億円の赤字に転落。ホテルの稼働率が1割台に落ちたほか、駅ビルでも約1カ月間の営業見合わせなどにより、テナント売上高が6割減少した。

「流通・外食」事業の営業損益も7億円の黒字から、15億円の赤字となった。主要4部門のうち、九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)の工事受注などが増えた「建設」を除く3部門が赤字になった。

JR九州は1987年の民営化後、事業の多角化に取り組み、赤字路線を多く抱える鉄道事業の収益を補ってきた。全事業に占める非鉄道部門の売上高は20年3月期で68%と、JR各社の中で最も高い。今回は非鉄道部門にもコロナの影響が強く表れ、大幅な業績悪化となった。

今後も厳しい経営環境は続く。九州の広い範囲を襲った7月の豪雨で、鉄橋が流出するなど路線の700カ所以上が被災した。被害総額は算定できていないが、復旧費用が膨らむことは確実だ。コロナによる運輸や不動産事業への影響も収束が見通せないでいる。

21年3月期の通期予想は引き続き開示しなかった。だが青柳社長は「通期でも赤字が出そうな状況になっている」と認める。コロナは再び感染者が増加傾向となり、移動抑制の呼びかけも出始めた。異例の感染症禍が、交通インフラの維持を最優先に求められてきた鉄道事業者に突きつけた課題はあまりに重い。(荒木望)

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