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山形・最上小国川ダムが竣工 30年越し、反対運動も

山形県は3日、最上小国川ダム(最上町)の竣工式を開いた。下部に2カ所の穴があり、通常時はダムに水をためない東北では初めての流水型ダム。県が管理する13番目のダムで規模は最も小さいが、激しい反対運動があり現在も裁判が続いている。吉村美栄子知事は式典で「流域は幾度も浸水被害が発生したが、ダムで治水能力が大きく向上した」と述べた。

全国で5番目、東北で初めての流水型となる最上小国川ダムの除幕式(3日、山形県最上町)

1991年度に調査を始め、2012年度に着工。88億3000万円の事業費をかけ今春完成した。普段は水をためないため「水質の悪化を抑えられる」(県最上総合支庁)という。小国川漁業協同組合(舟形町)が最上町や県と協定を結び流木を除去するなど、「地元も一体となって水質保全に取り組んでいる」(最上町の高橋重美町長)という。

天然のアユで知られる最上小国川のダム建設に理解を求める山形県の吉村美栄子知事(3日、最上町)

反対運動を巡っては板挟みとなった小国川漁協の組合長が2014年に自殺するなど曲折があった。式典で唯一、過去の経緯に触れた自民党県選出の加藤鮎子衆院議員は「大変な曲折があったにせよ、後世に感謝されるダムになると思う」と述べた。同漁協の高橋光明組合長は「複雑な思いもあるが、アユの生育に影響はでていない」と語った。

下部に穴があり通常は水をためない最上小国川流水型ダム(3日、最上町)

建設に反対するグループは河道改修などダムに頼らない治水を求めていた。一方、県は2キロメートル下流の赤倉地区は川沿いに温泉街があり、源泉への影響などもあり改修は難しいとしていた。吉村知事は式典後、記者団に対し、「(反対の声は)心外な思い。最近の雨は尋常ではなく、治水ダムという仕組みは必要。環境にも配慮している」と理解を求めた。

ダムは完成前の19年10月に発生した台風19号による大雨で約20万立方メートルの洪水を貯留。流量を約3割減らし、赤倉地区の水位を13センチメートル下げたという。また、式典では7月下旬の最上川が氾濫した豪雨にも効果があったという声もあり、かつての「脱ダム」の動きに対し、ダムの成果を示す発言が目立った。

ただ、7月下旬の大雨の際、ダム周辺の降水量は県内他地域ほど多くはなかったといい、「ダムが洪水調整機能を発揮する流量はなかった」(県最上総合支庁)としている。また、ダムが治水対策として効果があるのは赤倉地区などで、他に支流が流れ込む下流域は河川改修で洪水対策を進めている。

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