サラヤ 日本の手洗い、食の安全守る(古今東西万博考)
2015年・ミラノ

2020/8/4 2:00
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手の洗い残しをチェックするなど衛生面を指導した

手の洗い残しをチェックするなど衛生面を指導した

2015年7月、ミラノ万博で日本をPRする公式式典「ジャパンデー」が開かれた。各国の代表者ら500人以上を招いたレセプションでは、本格的な和食に加え、日本の食材をふんだんに使ったイタリアンを振る舞い、世界の要人の舌をうならせた。

このレセプションで衛生管理を指導したのが食器用洗剤のサラヤ(大阪市)だ。シェフに手洗いの方法などを教える講習会を実施し、日本館のレストランやフードコートに洗剤や消毒剤も提供した。「食」をテーマとした初めての万博となったミラノ万博で、日本の食や食文化のPRを陰で支えた。

それまでの万博では衛生管理の方法は出展する国におおむね委ねられていた。ミラノ万博は厳しい国際基準「危険度分析による衛生管理(HACCP)」に沿うことを求めた。日本のシェフは料理の技術はあっても国際基準のノウハウは不足していた。サラヤは戦後間もない1952年に創業して以来、感染症の予防に取り組んできた国内で数少ない衛生の専門企業だ。食品の取り扱いから調理器具の清掃まで、徹底した指導で万博での食の安全を守った。

すし店の京樽やモスバーガーなどが出展した日本館のフードコートは連日大盛況となり、日本食の知名度を高めた。衛生管理の重要性への認識が改めて広まり、企業の海外展開を支援するサラヤの事業が成長するきっかけにもなった。現在では世界24カ国・地域に拠点が広がり、アフリカでは公衆衛生の改善活動も行う。新型コロナウイルスが世界で猛威を振るうなか、サラヤの活躍の場は今後も増えそうだ。

(栗原健太)

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