トランプ米大統領、TikTok使用禁止検討 データ安全保障を懸念

2020/8/1 18:00
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【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領は7月31日、中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)が運営する動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の利用を禁じる考えを表明した。データの安全保障を懸念した。米国で6500万人が使う中国発のネットサービスまで排除すれば、米中経済の断絶は一段と鮮明になる。

米政権の「TikTok(ティックトック)」への警戒心は強い=ロイター

中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の使用禁止は米国内の3千万人に上る利用者に影響を及ぼす=ロイター

トランプ氏は7月31日夜、専用機内で記者団に対して「ティックトックには懸念がある。米国内での利用を禁じることになる」と述べた。8月1日にも具体策を公表する見通しだ。

6500万人のユーザーがいるサービスを禁じると、利用者から強い反発が起こる可能性がある。このため、ティックトックが米国事業を売却する案もなお視野に入れているようだ。

ロイター通信は1日、バイトダンスがティックトック事業を担う米子会社を完全売却する方針を固めたと報じた。バイトダンスの提案によると、マイクロソフトが米国内のティックトック事業を引き継ぎ、国内の顧客データの保護に責任を持つことになりそうだという。トランプ氏は米企業によるティックトック買収には否定的な考えを表明しているが、利用禁止は早期の事業売却に圧力を掛ける意図との見方もある。バイトダンスは「報道は市場の噂にすぎない」(広報)とした。

米政権は「安全保障上の懸念がある」(ポンペオ国務長官)とデータ安全保障の強化の観点から同サービスの利用禁止を検討してきた。ティックトックは利用者データからその交友関係や位置情報などを把握でき、親会社のバイトダンスが中国当局にその情報を提供するリスクがあるとみる。

トランプ政権は中国への強硬姿勢を前面に出しており、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)などを米市場から締め出してきた。ファーウェイは通信基地局のインフラ事業などハードウエアが中心だったが、数千万人の利用者がいるネットサービスまで排除すれば、米中の経済分断は一段と深まることになる。

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