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燃える!リモート野球応援 VR・投げ銭・ロボ観戦も

VRゴーグルを使い、自宅リビングで野球観戦を楽しむ近藤誠さん(東京都台東区)

新型コロナウイルスの影響で観客上限5千人の入場制限が続く中、プロ野球の各球団は球場に足を運ばないファンを対象にした観戦手法を模索している。お気に入りの選手に対価を支払う「投げ銭」や仮想現実(VR)を使った映像の視聴など、満足度を高める工夫は様々。新しい応援スタイルを自宅で楽しむファンも徐々に増えている。

「現地で声援を届ける代わりに、選手が打つ前や投げる前にポイントで応援する」。阪神ファン歴21年という大阪市の主婦、葛原富紗子さん(39)は、同球団が導入した「投げ銭」システムを7月から利用している。

投げ銭はオンライン上で金銭に代わるポイントを選手らに提供するしくみ。収益の一部は選手やチームに入る。

球団から運営を委託されたMGスポーツ(大阪市)がシステム開発のエンゲート(東京・渋谷)と提携し、特設ページを開いた。ポイント(P)は150円(100P)から買え、1万3500円(1万800P)などと、購入額が上がるほど割安になる。

葛原さんはピンチの投手に「ファイト」、活躍した打者に「ナイスバッティング」などのメッセージを添え、300Pほどを試合中に何度も贈る。昨季までは7歳の息子を連れて月1回ほど球場に行っていたが、今は感染の不安もあって難しい。「周りの観客や帰宅時間のことを気にせず楽しめる」ともいい、当面は続けるつもりだ。

「こんな席で見たことない。テレビに映らないところまでよく見える」。東京都の野球ファン、近藤誠さん(42)は初体験の立体映像に驚いた。ソフトバンクは今季、主催60試合をVRでライブ配信し始めた。月額980円で登録し、スマートフォンを装着したVRゴーグルをかければ、自宅でもペイペイドーム(福岡市)バックネット裏にいるような臨場感を味わえる。

日本ハムはファンがロボットを遠隔操作してリモート観戦する実証実験を始めている(球団提供)

ネット裏や外野席などに設置された4台のカメラは切り替え可能で、頭を動かす方向に応じて視界も変わる。リモート応援のニーズに対応した新企画は、大容量のデータ通信が可能になる次世代通信規格「5G」の普及をにらんだものでもある。

日本ハムはビデオ会議サービス「Zoom」を使い、1千人規模の応援イベントを開いている。岩本勉さんらOB解説者への質問コーナーもあり、イニング間には球場の大型スクリーンを使って選手にエールを送る。参加者の半数近くが北海道外から。海外からの参加もあり、担当者の国富建大さんは「新しい応援文化としての可能性を感じる」。同球団は観客席のロボットを遠隔操作し、グラウンドの好きな場所を見たり、選手に拍手を送ったりできるようにする実証実験も始めている。

生観戦が難しい時期を利用し、野球を深く理解したいファン向けのオンライン講座を開くのは、プロ球団へのコンサルティング業務を手掛けるDELTA(東京・豊島)。3日から毎週月曜に全9回を配信する。1回の受講料は2000円、9回通しでは1万3500円で、データ分析の基本を解説するほか、得失点と勝率の関連性、打率や防御率では測れない選手の評価手法も紹介する。岡田友輔社長は「野球観戦がより楽しくなるよう、多角的な視点を提供したい」と話している。(田村城、吉野浩一郎)

感染防止へ球場も改修


 新たな観戦スタイルを提案するプロ野球界だが、収益の大きな柱はチケット販売や飲食収入による球場内での売り上げだ。コロナ禍を乗り越えて客足を戻すためにも、ファンの不安を解消するハード面の感染防止策が欠かせない。
 今年度から約3年かけ、総事業費約100億円の球場改修に取り組む東京ドームは、感染防止策として大型送風機の設置や完全キャッシュレス化などを盛り込んだ。購入から入場まで携帯電話で完結できるスマホチケット、電子マネーやQRコードなどによる買い物決済を導入する完全キャッシュレス化は、2022年からの実施を目指す。係員や売り子との接触を減らし、入場ゲートや売店の混雑を緩和するのが狙いだ。
 「エンターテインメントは安心して会場に行けないと楽しめない。熱狂声援型から快適体感型へ観戦形式も変わってくると思う」と巨人の今村司・球団社長。新常態に適応した球場づくりをどう進めるか、各球団にとって喫緊の課題だ。

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