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雇用情勢厳しさ続く 非正規6月104万人減

新型コロナウイルスの感染拡大による厳しい雇用情勢が続いている。企業は5月の緊急事態宣言解除後も人員削減の手を緩めていない。特に非正規の雇用者数は6月に前年同月比100万人超の減少と、比較可能な2014年以降で最大の落ち込みになった。回復にほど遠い経営環境と先行きへの警戒が雇用意欲を冷え込ませている。

総務省が31日発表した完全失業率(季節調整値)は2.8%と、前月から0.1ポイント下がった。7カ月ぶりの改善にもかかわらず、総務省の担当者は「雇用がこれから良くなるとか、底を打ったという話ではない」と厳しい見方を崩さなかった。失業率の低下は職探しをする人が5万人減ったことが大きい。

政府による緊急事態宣言が5月下旬に全国で解除されたが、経済活動や雇用の戻りは鈍い。

大手居酒屋チェーン関係者は「もうアルバイトを雇い続ける余裕はない」と話す。6月以降、全国で休業していた直営店を再開したが、売り上げは通常の5割に満たない。これまで休ませていたパート・アルバイトのうち半分にあたる約3千人の解雇に踏み切った。

6月の就業者数は1年前に比べて77万人減の6670万人だった。正社員は2カ月ぶりの増加に転じた一方、非正規の雇用者数は104万人減の2044万人になった。

失業者のうち、勤め先の都合などリストラによる失業者は41万人。前年から19万人増えた。

業種別の就業者数をみると、外出の自粛などで消費が盛り上がらず、宿泊・飲食サービス業では38万人減、生活関連サービス・娯楽業では22万人減となった。製造業や建設業も雇用が減った。

教育・学習支援は学校の休校が長引いた影響で20万人増、医療・福祉は8万人増となった。こうした新型コロナへの対応が押し上げた業種もあるが、就業者全体でみると4月の80万人減、5月の76万人減に続く大幅な前年割れになった。

失業には至っていないものの、仕事を休んでいる人も小売りや飲食業を中心に236万人となお高水準だ。5月に423万人いた休業者のうち45%は6月も引き続き休んだ。7%は失業したり、職探しを諦めたりした。雇用環境の改善が遅れれば仕事を失う人がさらに増える可能性がある。

企業による雇用を維持するため、休業手当の支払いを支援する雇用調整助成金は、支給対象や支給額を拡大した特例措置が9月末で切れる。

北海道函館市のホテル経営者は「なんとか雇用を守っているが、特例が切れる秋以降は解雇もやむを得ない」と話す。書き入れ時である7~8月の予約は例年の2~4割にとどまり、冬場に多い訪日外国人も入国制限で期待できない。

公明党の高木美智代政調会長代理は31日、加藤勝信厚生労働相を訪ね、「予備費などを活用し、雇調金を延長し、十分な期間を確保してほしい」と要請した。加藤氏は「早めにタイミングよく判断したい」と応じた。

第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは「雇用環境の悪化は景気の悪化に遅れて本格化する。秋以降が正念場になる」と予測する。足元では感染者数が再び拡大しており、雇用を維持する備えを手厚くすることが欠かせない。

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