FCAの4~6月、1300億円の赤字 コロナで販売6割減
【フランクフルト=深尾幸生】欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が31日発表した2020年4~6月期の決算は、最終損益が10億4800万ユーロ(約1300億円)の赤字だった。前年同期は46億5200万ユーロの黒字。新型コロナウイルスの影響で新車販売台数が半分以下に落ち込んだことが響いた。

売上高は56%減の117億700万ユーロ。期中の新車販売台数は42万4千台と63%減った。経営の指標としている調整後のEBIT(利払い・税引き前損益)は9億2800万ユーロの赤字に転落した。
これまで利益のほとんどを稼いできた北米は、販売台数が62%減ったにもかかわらず調整後EBITで3900万ユーロの黒字をかろうじて確保した。EMEA(欧州・中東・アフリカ)は5億8900万ユーロの赤字で、アジア大洋州と南米も赤字だった。
四半期ベースでの最終赤字は1~3月期(16億9400万ユーロの赤字)に続いて2期連続。設備投資やマーケティング費用の削減が効いて赤字幅は縮小した。
通期の見通しについては5月同様、示せないとした。マイケル・マンリー最高経営責任者(CEO)は電話会見で「年後半は前半よりもずっと良くなる」と強調した。北米では工場の稼働率がコロナ前の水準を回復したという。