「もう立ち直れない」名古屋の歓楽街、規制検討で当惑

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2020/8/1 3:00
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愛知県内では31日、193人の新型コロナウイルス感染が新たに確認され、1日当たりの最多を更新した。名古屋市の歓楽街に関連する感染者が急増しており、大村秀章知事は地域を限って営業の規制を検討する考えを明らかにした。飲食店からは再び客足が遠のき、店主らは「もう立ち直れない」と当惑している。

人影もまばらな錦の繁華街(31日、名古屋市中区)

人影もまばらな錦の繁華街(31日、名古屋市中区)

「大変厳しい状況。何らかの形で繁華街の規制を考えざるを得ないのではないか」。大村知事は31日記者会見し、危機感を募らせた。名古屋市の中心部など地域を限定したうえで、休業要請や営業時間の短縮要請を視野に検討を進める。一方、「規制は相当なインパクトがあるので慎重に見極めて検討しなければいけない」とも述べた。

県は31日、新たに193人の感染を確認し、4日連続で100人を超えた。名古屋市の確認分が102人を占めた。

錦や栄の歓楽街では7月に入ってからカラオケバーや飲食店など複数の店舗でクラスター(感染者集団)が発生。10~30代の若い世代を中心に客や従業員の感染が相次ぐ。岐阜や三重から訪れた若者が感染するケースもあり、両県の知事は感染リスクの高い名古屋の繁華街との往来を避けるよう改めて呼びかけた。

同僚や友人との会食を控える人も目立っている。愛知県春日井市の男性会社員(24)は7月下旬、職場から「飲み会禁止令」が出たという。これまでは金曜日の飲み会が多かったが、「今夜は直帰。しばらくは地元で静かに飲もうかな」と語る。名古屋市東区の男性会社員(34)は「会社仲間を飲みに誘ったが、断られた」と自粛ムードの広がりを感じていた。

岐阜市から名古屋市内の会社に通う女性(19)は感染者が相次ぐ歓楽街での飲食が怖いと語りつつ、「岐阜に住んでいるという理由だけで会社の飲み会は断りにくい」と打ち明けた。

にぎわいを取り戻しつつあった飲食店のショックは大きい。中部最大の歓楽街「錦3(きんさん)」の居酒屋は、感染者が急増した数日前から客がほとんど来なくなったという。最近は売り上げが前年比7割ほどまで回復していただけに、男性店主(64)は「4月の状態に逆戻りかな」とため息をつく。休業要請はやむを得ないと考えているが、「少額でも協力金を出してほしい」と語る。

栄で居酒屋を営む男性(67)は「もう一度休業すれば年末まで店を続けられるかどうか……」と戸惑う。運転資金として200万円を借り入れており、「今は少しでもお金がほしい。お客さんは少ないが、通常通りの営業を続けさせてほしい」と訴えた。

国が経済活動を重視するなか、飲み会自粛の動きを疑問視する声も。中区でラーメン店を営む男性(39)は「『Go To トラベル』で観光事業は支援するのに、繁華街での飲食はダメというのは納得できない」と首をかしげた。

(植田寛之、宮田圭)

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