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トヨタ系8社、6社が損益悪化 リーマン後より底堅さも

トヨタ自動車グループの主要8社は31日、期初に見送った2021年3月期の連結業績予想を開示した。新型コロナウイルス禍で自動車各社の減産が続くなか、デンソーアイシン精機を除く6社が減益・赤字を見込む。愛知製鋼は損益ゼロの見通し。ただ、リーマン・ショック直後の09年3月期に比べると、収益の底堅いところが多い。

20年4~6月期は全社が減収で減益・赤字だった。コロナ禍でトヨタも減産を強いられ、部品各社も納品や受注が停滞。デンソーの赤字幅は900億円と過去最大だった。

国内の新規感染者が連日で過去最多を更新するなど懸念材料はあるが、31日の決算記者会見では業績は底入りしているとの見方が相次いだ。21年3月期は2ケタ増益を見込むデンソーとアイシン精機をはじめ、5社が最終黒字を確保する見通し。赤字はジェイテクトトヨタ紡織で、6社が赤字だったリーマン後の09年3月期に比べ各社のリスク耐性は着実に高まっていると言えそうだ。

今期の利益予想をゼロとした愛知製鋼も、前田和孝経営役員は「微々たるものだが若干の黒字を見込んでいる」としたうえで、こう続ける。「この4~6月期が底で(生産は)前年同期比4~5割のマイナスだが、下期はコロナ前に戻ると見込んでいる」。

各社の主要な納入先であるトヨタは、リーマン・ショックを契機に柔軟な生産体制に磨きをかけた。当時は在庫が膨らみ、売り急いだ結果、値崩れが収益をさらに悪化させる悪循環を招いた。足元は新車需要の急減を見越して生産をいち早く調整する体制を整えた。

部品各社も同様だ。デンソーの松井靖経営役員は「足元から在庫を正常に戻す自動車メーカーが多いと思う。(生産減が)止めどなく続くというよりは、戻る方が早いのではないか」と指摘する。自社の部品生産も復調しつつある。

リーマン以降の収益改善の効果が出ている企業も多い。豊田通商の通期利益は800億円の見通し。4割減益だが、09年3月期に比べると、利益水準はほぼ2倍になる。岩本秀之最高財務責任者(CFO)は、コロナ禍がビジネスに与えるマイナス影響はリーマン当時より大きいとしながらも「今は(財務の)体力が付き、ポートフォリオのバランスがとれている。業績へのインパクトは弱まっている」という。

各社はコストカットや構造改革といった収益改善策をさらに進める考えだ。豊田合成は4~6月期に残業や出張旅費で115億円を削減。ジェイテクトは研究開発費を通期で67億円減らす予定だ。自動運転や電動化といった最新技術のCASEへの投資には積極姿勢だが「優先順位は付ける。投資効率を高め、予算を減らすところは減らす」(牧野一久専務)としている。(阿部晃太朗)

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