ケッペル530億円の赤字 4~6月、原油安響く

2020/7/31 17:00
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【シンガポール=谷繭子】シンガポールの政府系複合企業、ケッペル・コーポレーションが発表した2020年4~6月期決算は、最終損益が6億9700万シンガポールドル(約530億円)の赤字だった。前年同期は1億5300万シンガポールドルの黒字。原油安で石油掘削装置(リグ)の市況が悪化、9億1900万シンガポールドルの損失引当金を計上した。

コロナで一時、国内の製造がほぼ停止した=ロイター

売上高は13億2500万シンガポールドルと、前年同期を26%下回った。不動産や公益事業などの部門は健闘したものの全体では減収となった。赤字額は同社の四半期決算で過去最大だ。ロー・チンホア最高経営責任者は「下半期も非常に厳しい状況が続く」と述べた。

新型コロナウイルス禍の拡大で原油価格が急落し、石油メジャーは油田開発投資を縮小している。ケッペルの顧客である掘削専門企業の経営が悪化し、破綻も相次ぐ。「コロナの影響は長引く」と見て、リグ部門の売掛金などで損失を引き当てた。

シンガポールのリグ製造現場にある外国人労働者の宿舎でコロナが流行したのも追い打ちをかけた。ほぼ全面的に製造停止を迫られ、工程が大幅に遅れた。コロナ前に抱えていた2万4千人のうち、職場復帰したのは6月末でまだ5千人程度だという。

約20%を保有する政府系投資会社、テマセク・ホールディングスによる子会社化の計画も不透明感が出てきた。テマセクは19年10月、最大41億シンガポールドルを投じてケッペルへの出資を51%まで引き上げ、事業強化を図ると発表した。ただ、条件が大幅に悪化した場合、出資の取りやめもできる「MAC条項」がついている。30日時点でテマセクは「ノーコメント」としている。

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